2022 Fiscal Year Annual Research Report
カナマイシン生産放線菌の遺伝子増幅機構を利用した分子育種法(ZouA法)の確立
Project/Area Number |
20K05799
|
Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
石崎 仁將 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 主任研究員 (10414103)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 分子育種 / 抗生物質高生産 / ZouA法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,kanamycin生産放線菌Streptomyces kanamyceticusに見出された DNA 配列増幅機構を他種,他属の細菌株の二次代謝産物生合成遺伝子クラスターに適用すること(ZouA法)により,遺伝子クラスターの増幅と代謝産物の生産量増加を目的としている。 令和4年度においては,darobactin (DAR) 産生株であるグラム陰性菌Photorhabdus khanii DSM3369株のDAR生合成遺伝子クラスターにZouA法を適用した。遺伝子クラスター増幅株の選抜にapramycin耐性遺伝子aac(3)-IVとkanamycinを用いた結果,得られた株の遺伝子クラスターのコピー数は50を超え,DAR生産能は親株の2.5倍に達した。昨年度中に大腸菌においてZouA法による遺伝子増幅を確認しているが,放線菌以外の細菌においてZouA法による抗生物質の生産性向上が確認されたのは今回の例が初めてである。 加えて,真核生物(真菌)における ZouA 法の適用可能性について,出芽酵母Saccaromyces cerevisiaeを用いて検討を行っている。zouA遺伝子の発現方法やRsAとRsBに挟まれた領域の塩基長,多コピー化株選抜のための薬剤耐性遺伝子等について検討を行っているが,現在までに多コピー化を達成するには至っていない。このうち薬剤耐性遺伝子についてはbleomycin (BLM)耐性遺伝子tlmAに着目している。この遺伝子はShBleと呼ばれる結合タンパク質をコードしており,野生型は高いBLM耐性を宿主に付与するが,結合部位に変異を導入する事で耐性度を下げられる事が分かった。これを使用し大腸菌へZouA法を適用したところ,BLMによる多コピー化株の選抜に成功したことから,出芽酵母においても多コピー化株選抜にtlmAを使用できると考えている。
|
Research Products
(1 results)