2020 Fiscal Year Research-status Report
DNA repair mechanism by condensed nucleoid-dependent end joining
Project/Area Number |
20K05813
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鳴海 一成 東洋大学, 生命科学部, 教授 (90343920)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DNA修復タンパク質 / 放射線抵抗性細菌 / ゲノム二本鎖切断修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
凝縮核様体依存的末端結合によるDNA修復機構の解明の一環として、D. radioduransのddrA遺伝子及びpprA遺伝子の二重欠失株、ddrAP遺伝子及びpprA遺伝子の二重欠失株を作製した。具体的には、pprAプロモーター上流750 bp、pprA遺伝子下流領域750 bpを、4種類の異なる制限酵素切断部位タグ付きプライマーでそれぞれPCR増幅後、制限酵素処理とライゲーションで、スペクチノマイシン耐性マーカー供給プラスミドpKatAAD (2,241 bp)に連結したDNA断片を用いて、ddrA遺伝子欠失株を形質転換し、ddrA pprA遺伝子二重欠失株を作製した。また、D. radiodurans ddrAP遺伝子についても同様にして、pprA遺伝子をスペクチノマイシン耐性マーカーとすげ替えた形のddrAP pprA遺伝子二重欠失株を作製した。作製した2種類の遺伝子二重欠失株のゲノム構成を確認したところ、両欠失株とも、多倍体ゲノムを持つ1細胞中、複数コピー存在するpprA遺伝子の一部が欠失した形のHemi体であることが判明した。現在、スペクチノマイシン存在下で繰り返し増殖させることで、pprA遺伝子がすべてのゲノムコピーから排除されたHomo体の取得を試みている。パルスフィールドゲル電気泳動によるゲノム2本鎖切断修復過程の解析については、これまでに確立した供試細胞濃度、アガロースゲルプラグの調製方法、プロテイナーゼK処理及び制限酵素NotI処理の条件を用いて、細胞菌体のブレオマイシン処理条件の検討を行い、ブレオマイシンによるD. radioduransのゲノムに生じた二本鎖切断を初めて可視化観察することに成功し、さらに、ブレオマイシン処理後の液体培地での菌体培養によってブレオマイシンで誘発された二本鎖切断の修復反応が亢進していく過程を初めて可視化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
gyrA gyrB遺伝子との多重遺伝子欠失株がまだ作製できていない。二重遺伝子欠失が細胞にとって致死的であることも考えられるが、過去の実験で示されているナリジクス酸やノボビオシンに対する感受性の程度を勘案すると、多重遺伝子欠失株の取得は可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
複数コピーの遺伝子の一部のみが欠失した形のHemi体の培養を続けてHomo体が取得できない場合であっても、Hemi体の変異原に対する反応を野生株と比較することで、欠失遺伝子の機能がある程度推定可能となると考えられるため、Hemi体を用いた遺伝子破壊効果の解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品の期間限定キャンペーン等により生じた300円未満の差額である。2021年度に執行予定のオリゴヌクレオチドプライマーの購入費の一部として補充する予定である。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] たんぽぽ計画:全宇宙曝露試料の帰還と微生物試料解析の現状2021
Author(s)
山岸明彦, 橋本博文, 矢野創, 横堀伸一, 河口優子, 小林憲正, 三田肇, 藪田ひかる, 東出真澄, 田端誠, 河合秀幸, 今井栄一, 富田-横谷香織, 木村駿太, 鳴海一成, 矢田部純, 藤原大祐
Organizer
第35回宇宙環境利用シンポジウム
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[Presentation] Exposure experiment of deinococcal species in Tanpopo Mission at Exposure Facility of Japanese Experiment Module of International Space Station2020
Author(s)
Yokobori Shin-ichi, Kawaguchi Yuko, Yatabe Jun, Fujiwara Daisuke, Hayashi Risako, Kinoshita Iori, Murano Yuka, Shibuya Mio, Narumi Issay, Hashimoto Hirofumi, Yamagishi Akihiko
Organizer
EANA2020 Virtual Meeting
Int'l Joint Research
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[Presentation] 宇宙空間で3年間曝露したデイノコッカス細胞塊の生存曲線とDNA損傷2020
Author(s)
河口優子, 鳴海一成, 柴田裕実, 橋本博文, 今井栄一, 小平聡, 内堀幸夫, 中川和道, 三田肇, 横堀伸一, 山岸明彦
Organizer
第21回極限環境生物学会年会
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[Presentation] 福島第一原発近隣の環境サンプルに由来する微生物のメタ16S解析2020
Author(s)
藁科友朗, 佐藤朝子, Shagimardanova Elena, 丸山茂徳, 森宙史, 鳴海一成, Oleg Gusev, 齋藤元文, 眞田幸尚, 佐々木祥人, Shaykhutdinov Nurislam, 島田梢, 黒川顕, 戎崎俊一, 西村昭彦, 駒義和, 金井昭夫
Organizer
第43回日本分子生物学会年会
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