2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of bio-degradable plastics decomposition mechanisms in deep sea environment using recombinant enzymes
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20K05819
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
中川 裕子 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70435577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 真巳 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80223006)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組換え酵素 / ブレビバチルス / 深海由来細菌 / エステラーゼ / PCL / 生分解性プラスチック |
Outline of Annual Research Achievements |
組換えエステラーゼを得るため、ブレビバチルスの発現系を用いて候補遺伝子を発現させた。候補遺伝子は2つとも数種類のベクターにクローニングし、発現を確認したが、うまく発現したのは1つのみであった。そこで、発現に成功した方は発現条件及び生成条件の検討を行った。好冷菌の遺伝子発現は難しいのか、なかなか量が得られなかったが、活性測定できる程度の組換えタンパクが得られる条件を確立することができた。一方、発現が見られなかったもう1つの候補遺伝子は、前者と異なるベクターにクローニングしたり、様々な培養条件を試したりしたが、発現は見られなかった。また、微生物のタンパク質生産量を向上させる手立として、生産されるタンパク質の先頭11個のアミノ酸配列が同一のまま、コドンを最適化した遺伝子を使って組換えエステラーゼを生産させる方法も試みた。しかし、発現に成功した前者の候補遺伝子に関しても、組換えタンパクを発現させることはできなかった。 また、既にFreitasらが報告しているエステラーゼ1種 (H39)の発現ベクターを取り寄せ、これをポジティブコントロールに使用するため、精製を試みたが、論文と同様の方法では組換えタンパクを得ることができなかった。 並行して、PCLを処理したJT01自体からの精製も試みた。硫安塩析では、比較的強いエステラーゼ活性を示す画分が得られたが、電気泳動しても検出が困難な濃度のタンパクしか得られていないため、まだどの大きさのタンパクがエステラーゼ活性を持つのかの特定には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度内に必要量の組換えタンパク2種の発現、精製条件を決定し、機能解析に着手する予定であったが、1種に関してしか精製方法を確立できていない。各鎖長のPCLを用いての活性測定も、常温・常圧条件下で単独で行ったのみである。加圧条件下で必要な量の組換えタンパクを得るのはかなり難しいと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
精製方法の確立した組換えタンパクを大量に精製し、常圧・常温と加圧条件下でのエステラーゼ活性測定に着手する。また、JT01と比較しつつPCL分解活性を観察・測定する。発現しなかった候補遺伝子に関しては、大腸菌の低温発現系でシャペロンを組み込んだ発現系があるので、それを用いた発現を検討する。 JT01からのタンパク単離は、PCLを基質にしたZymographyも用いてみる。
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Causes of Carryover |
計画していた学会発表等ができなかった。また、組換えタンパクの発現が滞ったため、シークエンス確認等も必要なかった。翌年度分と合わせて、学会発表、基質の購入、シークエンス確認等に充てたいと考えている。
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