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2020 Fiscal Year Research-status Report

アブラナ科植物の自家不和合性における受容体活性化機構の解明

Research Project

Project/Area Number 20K05824
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

村瀬 浩司  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (50467693)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords自家不和合性
Outline of Annual Research Achievements

植物の多くは自己の花粉を拒絶して、非自己の花粉により受精する自家不和合性の機構をもつ。アブラナ科植物の自家不和合性ではSと呼ばれる一遺伝子座の複数のハプロタイプによって調節されており、花粉側と雌蕊側のもつハプロタイプが一致するとその花粉は拒絶される。アブラナ科の自家不和合性においてS遺伝子座にコードされる自家不和合性決定因子として雌蕊側では受容体型キナーゼSRKが花粉側ではそのリガンドのSP11が同定されているが、SP11を受容したSRKがどのように活性化してその情報を細胞内に伝達しているかは不明である。本研究では構造生物学的なアプローチから、SRKの活性化メカニズムの解明を目指す。
これまでにSRKのキナーゼドメインの発現と結晶化には成功しているが、高分解能な結晶が得られていない。そこで、本年度はまずSRKキナーゼドメインの発現・結晶化に利用する最適な領域を決定するために、そのN末端とC末端を短くしたコンストラクトを作製して、発現を観察した。これまでに使用していたアミノ酸残基466-8211;853の領域から、N末端側は506, 510, 514, 518から始まるコンストラクトを、C末端側は837, 823, 819, 812で終わるコンストラクトを作製して大腸菌で発現させた。発現・精製したサンプルをゲル濾過クロマトグラフィーで解析したところ、N末端側では466, 506から始まるコンストラクトでは良好な発現を示したが、510では得られるSRKタンパク質が減少し、514と518ではほぼ単量体のSRKは得られなかった。また、C末端のコンストラクトでは853, 837, 823のコンストラクトでは十分なタンパク質が得られたが、819, 812のコンストラクトでは得られなかった。これらの結果から、N末端側は506もしくは510、C末端側は823を用いるのが良いと考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度はコロナによる影響のためやや研究が遅れている。SRKキナーゼドメインを結晶化するためにコンストラクトの改良を行い、最適な領域を決定した。現在このコンストラクトを用いて結晶化を進めており、今後このコンストラクトを用いた結晶からX線回折データを得られることが期待される。

Strategy for Future Research Activity

今後は本年度得られたSRKタンパク質の結晶化条件を精密化して、X線回折データを得られる大きさの結晶を作製する。目的のサイズの結晶が得られたら高輝度放射光施設SPring-8にて回折データを収集する。もし、構造決定するのに十分な回折データを得られない場合はさらなるコンストラクトの改良を行う。

Causes of Carryover

コロナによる大学の閉鎖や在室時間の短縮、また、消耗品の欠品などにより、通常な研究活動に支障が生じたため、予定よりも研究が遅れているため。本年度使用できなかった額については来年度と再来年度で50%づつ使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Mechanism of self/nonself-discrimination in Brassica self-incompatibility2020

    • Author(s)
      Murase Kohji、Moriwaki Yoshitaka、Mori Tomoyuki、Liu Xiao、Masaka Chiho、Takada Yoshinobu、Maesaki Ryoko、Mishima Masaki、Fujii Sota、Hirano Yoshinori、Kawabe Zen、Nagata Koji、Terada Tohru、Suzuki Go、Watanabe Masao、Shimizu Kentaro、Hakoshima Toshio、Takayama Seiji
    • Journal Title

      Nature Communications

      Volume: 11 Pages: 1-11

    • DOI

      10.1038/s41467-020-18698-w

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-12-27  

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