2020 Fiscal Year Research-status Report
非視覚組織の皮膚への光線曝露が調節する神経ペプチドの活性化機構の解明
Project/Area Number |
20K05829
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 博之 日本薬科大学, 薬学部, 准教授 (10433210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 俊幸 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (20183981)
澤口 能一 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 講師 (20735477)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光線曝露 / レチナール |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚由来細胞の非視覚細胞に発現するオプシン受容体が正常に機能するかの評価を行った。オプシン受容体はシスレチナールの結合と非結合により活性が調節されている。光を受けると受容体に結合するシスレチナールはトランスレチナールに変換されて解離する。そのため、眼では乖離したトランスレチナールがシスレチナールに変換し再びオプシン受容体に結合するレチナール代謝が存在する。そこで、初めに皮膚においても視サイクルが存在しているかを、視サイクルに関わる酵素発現をRT-PCR法により評価した。その結果、レチナール代謝に関わる全ての酵素がラット皮膚においても発現することを明らかにした。現在、皮膚中のレチナール代謝中間体を検出する系を調整しており、レチナール代謝が皮膚においても行われていることを明らかにすることを試みている。 つぎに、非視覚細胞の光線曝露の影響を評価するために、様々な波長の光線を曝露した時の細胞応答をセカンドメッセンジャーであるcAMPの変化を指標として評価した。しかしながら実験に用いた皮膚由来の初代培養細胞では光線曝露によって細胞内cAMPが変化する波長がなかった。さらに、光線の細胞の応答の指標とするタンパク質を探索するために、光線曝露後に発現が変化するタンパク質の同定を試みた。光線曝露後の細胞から抽出したタンパク質を2次元電気泳動で展開し、発現変動の認められたスポットをタンパク質の同定に供した。その結果から、波長によって発現が変化し細胞によって特徴的なタンパク質の候補として6種同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は非視覚細胞に発現するオプシン受容体が機能しているのかと光線を浴びた細胞の応答反応が見られるかを評価した。レチナール代謝に関わる全ての酵素遺伝子の発現が認められ、オプシン受容体が機能していることが予想された。また、光線曝露後に発現が変化する複数のタンパク質の候補を同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
レチナール代謝に関わる酵素の発現が認められたため、レチナール代謝の中間代謝産物を検出し、レチナール代謝が皮膚においても行われていることを確認する。また、光線曝露によって発現が変化したタンパク質が光線曝露後の細胞応答の指標として利用可能であるかを評価する。
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Causes of Carryover |
参加した学会がオンライン開催となり、旅費が発生しなかった。また、年度当初、新型コロナ感染防止により、大学内での研究を遂行する進度が遅くなり、経費が消費することができなかった。
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Research Products
(3 results)