2022 Fiscal Year Annual Research Report
非視覚組織の皮膚への光線曝露が調節する神経ペプチドの活性化機構の解明
Project/Area Number |
20K05829
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 博之 日本薬科大学, 薬学部, 准教授 (10433210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 俊幸 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (20183981)
澤口 能一 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 講師 (20735477)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光応答反応 / 非視覚細胞 / レチナール代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、非視覚細胞である皮膚由来細胞が「光線曝露によって生理活性ペプチドを産生する仕組みを明らかにすること」および「光が細胞のシグナル伝達に変換する仕組みを明らかにすること」を目的に検証した。 これまでに、神経ペプチド前駆体であるプロオピオメラノコルチンと肥満細胞由来トリプシン様プロテアーゼであるトリプターゼの発現が紫外線曝露によって亢進することを明らかにしている。そこで、プロオピオメラノコルチンがトリプターゼによって分解された消化断片中から活性を有する断片の探索を行ない、候補ペプチドとしてβ-エンドルフィンのN端フラグメントを単離・構造決定した。得られた新規なβ-エンドルフィン関連ペプチドに関する報告はこれまでにない。また、β-エンドルフィンとメチオニン-エンケファリンは共通の配列を有し、オピオイドペプチドに分類される。しかしながら両ペプチドが標的とする受容体は異なっている。現在、今回検出された新規なβ-エンドルフィン関連ペプチドの活性評価を行ない、紫外線の曝露を受けた皮膚の防御反応への新規ペプチドの関与について解析している。 また、可視光線の曝露によって引き起こされる細胞内シグナル伝達についてオプシン受容体の活性化により起きるレチナール代謝に着目して検証を行ってきた。これまでに、角化細胞への光線曝露によって細胞内でレチナール代謝が進むことやレチナール代謝産物を経時的に検出する条件を整えている。そこで、単色の光で刺激した時のレチノール代謝について解析した。単色光での刺激ではレチナール代謝産物の量がわずかであり、ばらつきが大きいことが分かった。そこで、光線の応答反応を平均化するためにサンプル数を増やして再評価を行ない、非視覚細胞において光が生体シグナルに変換する仕組みについて評価している。
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Research Products
(4 results)