2023 Fiscal Year Annual Research Report
植物のクチクラ形成を調節する乾燥応答ネットワークの解析
Project/Area Number |
20K05833
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
浦野 薫 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (30391882)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乾燥ストレス応答 / クチクラ形成 / ワックス合成 / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は乾燥ストレス下でクチクラ形成関連遺伝子を制御するEDTFファミリーの機能をその変異体や過剰発現植物を用いて明らかにするとともに、これまで報告されてきた植物の乾燥ストレスに応答したクチクラ形成の分子機構におけるEDTFファミリーの役割を解明することを目的としている。本年度はこれまで報告されているクチクラ形成に関する転写因子のMYB94,MYB96、WIND2に関して我々の用いている3段階の乾燥ストレス処理条件(初期、中期、後期)での発現を解析し、EDTFファミリーとの関係を考察した。EDTF1,2,3は乾燥初期に一過的に強く発現し、速やかに減少する。MYB94は乾燥中期,後期で継続して発現し、MYB96は乾燥~後期まで継続して発現した。一方、WIND2は乾燥初期に弱く発現し、減少したのち、後期に再度強く上昇した。この結果より、EDTFファミリーとMYB94,MYB96、WIND2は乾燥ストレス下で協調的に機能し、クチクラ形成に関わるワックス合成遺伝子の発現を制御していることが示唆された。さらに、EDTFファミリーは乾燥初期の中心的な役割を果たすと考えられた。本研究の成果を以下にまとめる。乾燥ストレスの初期過程に一過的に発現する転写因子遺伝子のEDTF1,2,3は乾燥ストレス下でCER1の活性化を直接的且つSHN3を介した間接的の2つの形で制御することで、乾燥初期のアルカン合成を上昇させ、クチクラ形成を調節し、植物の乾燥ストレス応答に関与することを明らかにした。またその制御は他の転写因子と協調的に制御することが示唆された。
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