2020 Fiscal Year Research-status Report
Characterization and application of novel dye-linked L-glutamate dehydrogenase
Project/Area Number |
20K05834
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
里村 武範 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (50412317)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 酸化還元酵素 / バイオセンサ / 好熱菌 / グルタミン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、色素依存性グルタミン酸脱水素酵素活性を有する好熱菌由来新規タンパク質の詳細な酵素科学的性質の解析と酵素反応機構の解析を行った。本タンパク質の大腸菌による組換えタンパク質発現系を構築し、大量の組換えタンパク質を得ることに成功した。この組換えタンパク質を精製し、酵素化学的性質を解析したところ、これまでグルタミン酸を酸化することが知られているNAD(P)依存性脱水素酵素、オキシダーゼ活性も検出されず、色素依存性脱水素酵素活性のみを示した。このことから、本酵素はこれまでに報告されたNAD(P)依存性グルタミン酸脱水素酵素、グルタミン酸オキシダーゼとは異なる新規酵素であることが明らかとのなった。また、本タンパク質はL-グルタミン酸に高い基質特異性を示し、L-グルタミン酸測定用素子としても高い有用性を示した。 また、本タンパク質は1500アミノ酸からなる巨大タンパク質であるため、組換えタンパク質の発現や精製が困難であった。そこで、遺伝子工学的手法によって本タンパク質の一部を除去した組換え体を作成した。その結果、本タンパク質の一部を除去した組換え体でも色素依存性脱水素酵素活性を示すことが明らかとなった。さらに、この組換え酵素は、インタクトなタンパク質と比較して色素依存性脱水素酵素の比活性の上昇が認められた。 次年度は、より組換えタンパク質の発現、精製が可能であると考えられる本組換えタンパク質の性質を解析し、組換えタンパク質の電極への配向固定化法の検討を進め、L-グルタミン酸バイオセンサの開発を進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに報告例がない色素依存性グルタミン酸脱水素酵素活性が、本タンパク質にあることが証明でき、組換えタンパク質発現と精製の簡便化が期待できる組換えタンパク質の発現に成功したため、当初の計画通りグルタミン酸センサへの応用を進めていくことが可能であるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、作成した組換え酵素の詳細な酵素化学的性質の解析を進めている。今後は、本組換え酵素のグルタミン酸バイオセンサへの応用のための電極への修飾方法の検討を進めていく。本組換え酵素はN末端にヒスチジンのタグを付加しているが、電極への酵素の配向性は電流応答に非常に大きな影響を与えるため、C末端にもヒスチジンタグを付加した組換えタンパク質を作成し、電極への酵素の配向性の検討を進め高感度なグルタミン酸バイオセンサの構築条件の検討を進めていく。
|
Research Products
(1 results)