2020 Fiscal Year Research-status Report
オートファジー抑制因子Rubiconとその阻害剤の機能発現機構の解明
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20K05839
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上西 達也 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10391921)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オートファジー / Rubicon / 阻害剤 / 薬剤開発 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物に共通して見られるオートファジーは、飢餓時に細胞がエネルギー源確保のために行う自己消化作用だけではなく、通常時に不要物を分解する自己浄化作用としても働いている。近年、ヒトでのオートファジー機能の低下が様々な疾患や老化現象の要因になること、また数少ないオートファジー抑制因子であるRubiconの働きを抑えると肝障害の軽減や健康寿命の延伸が期待できることなどが次々と示されている。そこで化合物ライブラリからRubiconに結合する小分子を独自のスクリーニング法により選抜したところ、この小分子がRubiconの機能を阻害することによりオートファジーを促進することが示唆された。しかしながら、Rubiconがオートファジーを負に制御するメカニズムも、それを標的とする小分子の作用機序も、どちらも不明である。 そこでRubiconのどの領域がこの小分子との相互作用に必要なのかを明らかにするために、ドメインを欠損させたRubiconの複数の変異体にエピトープタグを導入し、それぞれが小分子を架橋したセファロースビーズと結合するかどうかを調べている。具体的には、作製したコンストラクトをヒト培養細胞で一過性に発現させ、その破砕液に混和したビーズと共沈してくる変異体タンパク質をSDS-PAGEとウェスタンブロッティングにより定量している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに予備的な結果は得ているが、再現性に乏しいために条件検討を重ねている。
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Strategy for Future Research Activity |
Rubiconとの相互作用が報告されているタンパク質と上記のドメイン欠損変異体をヒト培養細胞で一過性に発現させ、両者が共沈する組み合わせ・条件を見出し、形成された安定な複合体について生化学的なキャラクタリゼーションや構造解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
小分子との相互作用に必要なRubiconのドメインの絞り込みに遅れが生じているため、ヒト培養細胞を用いたタンパク質大量発現に予定していた費用が発生しなかった。次年度は計画の遅れを取り戻して構造解析に必要な備品・消耗品の購入に充てたいと考えている。
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