2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K05840
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
肥塚 崇男 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30565106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 純一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (50243100)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 香気成分 / 配糖体化 / 輸送担体 / 揮発性ベンゼノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、夜間特異的に花香成分である揮発性ベンゼノイドを生成するナス科植物ペチュニアに着目し、花における香気成分の生合成、配糖体化による蓄積、細胞内での輸送、大気中への放散がどのように起こっているかを解明することを目的としている。本研究において、ペチュニアの開花段階別(stage 2, stage4, stage5, 開花0-1日後、開花3-4日後、葉)ならびに昼夜3時間ごと(2:00, 5:00, 8:00, 11:00, 14:00, 17:00, 20:00, 23:00)のサンプリングを行い、花香分析を行った。その結果、開花段階が進むにつれて、また夜間特異的に揮発性ベンゼノイド量が上昇することを確認した。さらに、それぞれのサンプルからRNAを抽出し、計39サンプルのトランスクリプトーム解析を行った。その結果、揮発性ベンゼノイドの生合成遺伝子ならびに、それらを制御している転写因子において、揮発性ベンゼノイドの生成量と正の相関を示す発現パターンが見られた。さらに、これら生合成遺伝子と同様に、開花段階が進むにつれて発現が高まる輸送体候補遺伝子を見出すことができた。また、開花時および夜間特異的に高発現する配糖体化酵素遺伝子を単離することに成功し、大腸菌発現させた組換え酵素では揮発性ベンゼノイドに対して高い配糖体化活性を示すことを明らかにした。一方で、ペチュニアと同じナス科植物として知られる野生タバコ(Nicotiana sylvestris)についても、香気成分ならびに香気成分配糖体の代謝物分析を進めており、揮発性ベンゼノイドの中間体である安息香酸に対して高い基質特異性を示す配糖体化酵素の単離、機能解析についても明らかにした。現在、これら配糖体化酵素のインビボでの機能を明らかにするため、発現抑制形質転換体を作出し、花香生成への影響を調査している。
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Research Products
(4 results)