2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis and production of novel antiglycation substances from Inonotus obliquus
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20K05847
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
櫻井 明彦 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40283163)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抗糖化物質 / カバノアナタケ |
Outline of Annual Research Achievements |
カバノアナタケが生産する抗糖化成分の構造解析および生理活性評価のために、液体表面培養法により菌糸体を大量に培養した。得られた菌糸体から多段階抽出により抗糖化成分を回収し、陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。高い抗糖化活性を示した成分の化学構造をLC/MSおよびNMRで解析したところ、3,4-dihydroxybenzalacetone (DBL, 別名3,4-dihydroxybenzylideneacetone)が主成分であることが明らかになった。 このDBLを主成分とする菌糸体抽出物の抗糖化活性を測定したところ、牛血清アルブミンとグルコースとの反応による蛍光性AGEsの生成抑制については、EC50値は約0.024 g/Lであった。抗糖化の基準物質であるアミノグアニジンのEC50値が約0.13 g/Lであったことから、菌糸体抽出物はアミノグアニジンの5~6倍程度の抗糖化活性があることが分かった。 さらにコラーゲンーグリセルアルデヒド系における蛍光性AGEsの生成についても抑制効果を測定したところ、菌糸体抽出物のEC50値は約0.04 g/Lでありアミノグアニジン(EC50≒0.4 g/L)の約10倍の抗糖化活性を示すことが分かった。また、エラスチンに対する抗糖化活性についても同様の傾向が得られており、DBLの抗糖化活性が高いことが明らかとなった。 今後、線虫に菌糸体抽出物を与え、in vivoでの抗糖化物質の影響について解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の拡大により、実験室の使用時間帯が限定されたため実験がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
高い抗糖化活性が明らかとなったジヒドロキシベンザルアセトンについて、その生理活性をin vitroとin vivoの両面から詳細に解析する。 これと並行して、培養菌糸体に含まれている可能性があるジヒドロキシベンザルアセトンの構造類似体について解析を進める。
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Causes of Carryover |
カバノアナタケを培養し抗糖化物質を生産し、得られた抗糖化物質の生理活性について、線虫を用いて評価する。また、培養菌糸体に含まれる抗糖化物質の類縁体について探索する。以上の研究計画に必要な試薬・実験器具の購入費用として助成金を使用する。
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Research Products
(4 results)