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2020 Fiscal Year Research-status Report

ヒスチジン立体配置に基づいた細胞膜透過性タンパク質ファミリーの探索と機能解析

Research Project

Project/Area Number 20K05850
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

岩崎 崇  鳥取大学, 農学部, 准教授 (30585584)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsヒスチジン / タンパク質 / ペプチド / 立体構造 / 細胞膜透過
Outline of Annual Research Achievements

これまでに我々は、ヒスチジンが連続した配列を有する複数のタンパク質(ヒスチジン連続タンパク質)がヒト細胞内に効率的に取り込まれる現象を世界に先駆けて発見した。興味深いことに、ヒスチジン連続タンパク質の一部は、細胞内に取り込まれた後に、疾患に関与する挙動(例:細胞毒性)を示す。すなわち、ヒスチジン連続タンパク質は、細胞膜透過能を有した新たな機能性タンパク質ファミリーであると考えられる。そこで本研究では、ヒト血中に含まれる新しいヒスチジン連続タンパク質を探索・同定・機能解析する。これにより、ヒトのヒスチジン連続タンパク質ファミリーの全容を解明するとともに、新たな生命現象の発見に挑戦する。
2020年度における研究では、「ヒト血中に含まれるヒスチジン連続タンパク質を探索すること」を目的として、ヒト血清プールからヒスチジン連続タンパク質を精製した。まず、ヒト血清プールをNi固定化カラムへロードし、ヒスチジン連続タンパク質を結合させた。次いで、異なる濃度のイミダゾール溶液(50, 100, 200, 400, 600, 800, 1000 mM Imidazole)を順次Ni固定化カラムへロードし、ヒスチジン連続性の異なるヒスチジン連続タンパク質画分(計7画分)を得た。さらに、陽・陰イオン交換カラムにて細分化することで、ヒスチジン連続性・表面電荷の異なるヒスチジン連続タンパク質画分(計91画分)を得た。得られたタンパク質画分をFluorescein標識し、ヒト培養細胞株とフローサイトメーターを用いて細胞膜透過率を定量評価した。
その結果、高濃度イミダゾール溶液で溶出されたヒスチジン連続性が高いタンパク質画分(計27画分)において、顕著な細胞膜透過が確認された。現在は、細胞膜透過を示したタンパク質画分をLC-MS/MS質量分析に供し、タンパク質同定を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初の予定では、2020年度はヒト血清中に含まれるヒスチジン連続タンパク質の精製・分画化を完了し、2021年度にかけてヒスチジン連続タンパク質の蛍光標識ならびに細胞膜透過を解析する予定であった。しかし、2020年度中にヒスチジン連続タンパク質の細胞膜透過解析も完了した。この解析により、ヒト血清中には当初想定していたよりもはるかに多数の「細胞膜透過を示すヒスチジン連続タンパク質」が存在することが明らかになった。さらに2020年度中に、これら「細胞膜透過を示すヒスチジン連続タンパク質」画分をLC-MS/MS質量分析に供する段階まで完了している。ゆえに、本研究課題の進捗状況は「当初の計画以上に進展している」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

2021年度においては、ヒト血清から精製された「高い細胞膜透過性を示したヒスチジン連続タンパク質画分」に含まれるタンパク質を同定する。当該タンパク質画分をLC-MS/MS質量分析に供し、細胞膜透過性ヒスチジン連続タンパク質の候補を複数種同定する。
次いで、同定された細胞膜透過性ヒスチジン連続タンパク質候補を、組換えタンパク質として調製する。ヒト培養細胞からcDNAをクローニングし、翻訳後修飾の有無に応じて大腸菌またはヒト培養細胞(HEK293T細胞)にて組換えタンパク質として発現・調製する。2020年度に実施した実験(ヒト血清プールからのヒスチジン連続タンパク質の精製)において、精製スキームは既に確立されているため、迅速な精製が可能となる。この組換えヒスチジン連続タンパク質をFluorescein標識し、フローサイトメーターにて細胞膜透過性を確認する。上記一連の行程にて、ヒト血清に含まれる細胞膜透過性ヒスチジン連続タンパク質を複数種類決定する。
以降は、細胞膜透過性ヒスチジン連続タンパク質を処理したヒト培養細胞株からmRNAを調製し、RNA-Seq解析により細胞内の遺伝子発現変動を調べる。これにより、細胞膜透過性ヒスチジン連続タンパク質が細胞に与える影響を明らかにする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 熱帯熱マラリア原虫が産生するHistidine-rich protein 2の病原性メカニズムの解明2021

    • Author(s)
      岩崎崇、金山葉瑠、下田麻由、河野強
    • Organizer
      日本農芸化学会2021年度大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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