2022 Fiscal Year Research-status Report
プロテオーム解析を用いた直接的アプローチ法による薬剤標的同定解析システムの開発
Project/Area Number |
20K05857
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
室井 誠 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 専任研究員 (30261168)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロテオミクス / ケミカルバイオロジー / 生理活性物質 / 標的分子同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
(I) CETSAとChemProteoBaseを組み合わせた解析システム(2DE-CETSA)の構築:化合物が標的タンパク質に結合する時の熱安定性変化を利用したセルサーマルシフトアッセイ(CETSA)法と2次元電気泳動(2DE)に基づくプロテオーム解析を組み合わせた新規の標的タンパク質解析法の2DE-CETSAの解析基盤を整えた。2DE-CETSAの手法、あるいは、関連手法である植物細胞のタンパク質同定について、広く利用される様に、解析手法の詳細について、Methods in Enzymologyにまとめた(Muroi M, Osada H. Methods Enzymol, 675 :425-437, 2022, Moon JY, et al, Methods Enzymol, 680: 421-438, 2023)。 (II) 2DE-CETSAを用いた新規化合物の解析による解析系の有用性の証明:がん細胞の増殖阻害を指標にスクリーニングで得られた、標的分子の知られていない活性物質、あるいは、植物細胞を標的とした化合物について2DE-CETSAを用いた解析を行い、標的候補タンパク質を見出し、解析を行った。また、中国との共同研究で、植物由来のIsoquercitrinについて、2DE-CETSAを用いた解析を行い、複数のタンパク質に作用してAMPK/SREBP-1c/FAS/CD36 シグナル伝達経路を経て、抗肥満効果をもたらすことを明らかにした(Manzoor M, et al Food Funct, 13(21): 10923-10936, 2022)。さらに、標的未知の化合物であるAllantopyrone Aの作用解析についても行い、化合物がプロテアソーム系に作用していることが明らかになった(Okuda C, et al. J Antibiot, in press, 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2次元電気泳動を用いた標的同定システムの2DE-CETSAについて方法論を確立できた。さらに、新規生理活性物質の解析を行い、計画が順調に進んでいることを示している。コロナ禍により解析の実例の数を増やすことは十分にできなかったが、方法論なども公表できたため、本手法を用いた生理活性物質の標的解析の迅速化が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
2DE-CETSAや以前より開発しているChemProteoBaseなどの解析手法を進化、組み合わせることによって、作用標的未知の有用化合物の標的分子を明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍もあり、前年度からの持ち越しに加え、本年度も実験遂行上の遅延がおこったため。遅延分の実験、および化合物の標的分子の証明実験を行い、成果をまとめる予定。
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[Journal Article] Isoquercitrin from <i>Apocynum venetum</i> L. produces an anti-obesity effect on obese mice by targeting C-1-tetrahydrofolate synthase, carbonyl reductase, and glutathione S-transferase P and modification of the AMPK/SREBP-1c/FAS/CD36 signaling pathway in mice <i>in vivo</i>.2022
Author(s)
Manzoor M, Muroi M, Ogawa N, Kobayashi H, Nishimura H, Chen D, Fasina OB, Wang J, Osada H, Yoshida M, Xiang L, Qi J
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Journal Title
Food Funct
Volume: 13
Pages: 10923~10936
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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