2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K05869
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
廣津 直樹 東洋大学, 生命科学部, 教授 (40584389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 悦子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度解析センター, 主席研究員 (00355752)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リコンビナントタンパク質 / タンパク質結晶化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、TGW6を大腸菌発現系で発現させたリコンビナントTGW6を精製する各種条件検討を行った。クローニングベクター種類の変更、コドンの最適化、N末削除、塩濃度などの条件検討を行った結果、リコンビナントTGW6を可溶化状態で精製することに成功した。ニッケルアフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーを用いた4段階精製により、4Lの大腸菌培養系から3.8 mgのTGW6を精製した。精製したTGW6は、ゲル濾過クロマトグラフィーや動的光散乱、円偏光二色性スペクトルの解析から、カルシウムイオンの存在下で構造が安定化されることを明らかにした。 次に精製したリコンビナントTGW6を用いて結晶化条件の検討を行った。まず、スパースマトリックススクリーニングキットを用いてシッティングドロップ蒸気拡散法で結晶化条件の検索を行った。結晶が得られた条件をもとにバッファーなどの条件の最適化を行ったところ、最終的に10℃で0.8 M Sodium citrate tribasic, 0.1 M CHES-NaOH, pH 9.6, 3% Sucrose の条件で単結晶を得ることに成功した。 現在は、得られた結晶にX線照射を行い、X線回折データの収集を行っている。X線回折データの処理を行いTGW6の結晶構造解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題でターゲットとするTGW6タンパク質は大腸菌発現系で不溶化されやすくその精製が困難であった。詳細な条件検討の結果、可溶化状態のリコンビナントTGW6の精製に成功し、さらに結晶化にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた結晶にX線照射を行い、X線回折データの収集とそのデータ処理を行い、TGW6の結晶構造解析を行う。得られた結晶構造をもとに化合物とのドッキングシミュレーションやフラグメントスクリーニングを行い、アンタゴニスト候補の選抜を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は順調に研究が進捗したため次年度に繰り越した。次年度はアンタゴニスト候補の特性評価のため、より多くの化合物を購入する代金に充てる。
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Research Products
(2 results)