2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of pigments and astringent taste by non-enzymatic oxidationn in red wine
Project/Area Number |
20K05874
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
久本 雅嗣 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00377590)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ワイン / アントシアニン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はこれまで得られた結果を踏まえ、実際に実醸造で高分子色素形成やタンニンの評価を行った。日本で最も多く栽培されている黒ブドウであるマスカット・ベーリーA(MBA)[Vitis labruscana (Bailey) x V. vinifera (Muscat Hamburg)]を用いて、アルコール発酵前及びアルコール発酵後にpHを調整したワインを調整し、アントシアニン組成やLPP(Large Polymeric Pigments)の変化を評価した。マストの段階でpH調整(3.0-4.2)を行った場合、アントシアニン量はpH 3.0が最も高く、その他のpHでは差は認められなかった。LPP量はアルコール発酵中においてワインのpHが高いほど多く、ワイン製造12ヶ月後も同様の傾向であった。高pHで作成したワインでアルコール発酵終了後にpHを下げたワインはColor Hueが減少した。アルコール発酵終了後にMBAワインを低いpHに調整しても、LPPの量が保持された。よって、アルコール発酵中の高いpHはLPPを増加させ、ワインの色の安定化に寄与した。アルコール発酵中のマストおよびアルコール終了後のpH調整のタイミングは、アントシアニン及びアントシアニン重合体の生成に大きく影響することが認められた。また、アルコール発酵中の醸しの期間の長さは、アントシアニン濃度、色調、高分子色素、BSA反応性タンニン量に違いが認められた。
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