2020 Fiscal Year Research-status Report
細胞表層工学を用いたアレルゲンコンポーネントに対する抗体の簡便な選別法の確立
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20K05889
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大野 敏 岐阜大学, 工学部, 准教授 (10345796)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 表層工学 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、表層工学を利用し,特定のタンパク質に対する抗体の簡便な選別系の構築のため、そのモデル選別系の構築を進めた. 具体的には文献調査から,精子に含まれる受精に関するタンパク質(IZUMO)と ,ブレビバチルス菌で分泌発現が確認されているIZUMOに特異的なVHH抗体を選択した。まずはじめに、Hisタグ融合IZUMOタンパク質の大腸菌での産生系を構築し、IZUMOタンパク質を回収した。次に、文献の通りIZUMO特異的VHH抗体が分泌発現可能かの検証を行った。分泌産生を確認する為に、VHH抗体のC末端側にSNAPタグを融合したベクターを作製し、発現操作を行った。その結果、SNAPタグを利用した蛍光修飾が確認できたことから、IZUMO特異的VHH抗体のブレビバチルス菌で分泌産生が確認できた。次に、VHH抗体のC末端側に、固定化反応に利用するSortase 認識配列を融合するように発現ベクターを構築し、ブレビバチルス菌表層への固定化を検討した。培養後、認識配列の上流に導入したTEVプロテアーゼ認識配列を利用して、VHH抗体が切り出されるかを確認した。その結果、プロテアーゼを加えた時のみVHH抗体の分子量に相当するタンパク質が確認され、またHisタグ融合IZUMOタンパク質との相互作用が確認できた。これと並行し、選別の対象とするトロポミオシンの大腸菌での産生系を構築し、エビ由来トロポミオシン、カニ由来トロポミオシン、ダニ由来トロポミオシンなど各種トロポミオシン・タンパク質を回収した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Hisタグ融合IZUMOタンパク質やIZUMOに特異的なVHH抗体の産生、およびVHH抗体固定化ブレビバチルス菌の作製について検討を進められたが、現在までに、通常のブレビバチルス菌とVHH抗体固定化ブレビバチルス菌を混合した菌体混合物からVHH抗体固定化ブレビバチルス菌の選別条件が決定できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
効率的に選別を可能とするため、当初予定していた磁気ビーズを用いた選別に加え、蛍光タンパク質融合IZUMOタンパク質を調製し、セルソーターを利用した選別系を検討する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況により、消耗品の購入が抑えられたため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額はセルソータを用いた選別に関する消耗品などの購入に使用する予定である。
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