Visualization for reception of poorly absorbable food compounds on intestinal epithelia

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K05890
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 藍原 祥子 神戸大学, 農学研究科, 助教 (30620877)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 食品成分 / 苦味受容体

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、難消化性ながら身体に影響を及ぼす食品成分の機能として腸管上皮による受容と腸脳相関に着目し、作用機序を明らかにするものである。
①難消化性食品成分の受容体候補を探索するにあたり、昨年度は分子ドッキングシミュレーションを用いて結合を予測することを検討したが、腸管で発現する感覚受容体と食品成分との結合の強さを正確に予測しうる計算は、構造が解析された受容体が少ないゆえに困難であったことから、本年度は培養細胞での生化学アッセイを行うこととした。アッセイに先だち、まずは利用する材料の特徴を把握するため、ヒトの腸管由来細胞2種を用いて苦味受容体の網羅的な発現解析を行ったところ、HT-29細胞が比較的多種の苦味受容体を発現することが確認された。HT-29細胞は粘液の産生が活発なことから、腸上皮の防御機構の研究にはよく用いられているが、食品の刺激を受け取る研究では利用されてこなかった。本年度の研究の結果、新規に利用可能な生物材料が見いだされたことになる。
②腸上皮での受容を経時的に解析するため、オルガノイドの実験系の構築を行った。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

細胞培養用のCO2インキュベータの老朽化とも関連して培養実験を中断するようなトラブルが生じ、実験の全体的な遅延が生じた。

Strategy for Future Research Activity

今年度はオルガノイドでのイメージング系を構築し、食品成分に対する腸上皮の応答を解析する。食品成分の刺激の作用点は受容体の活性測定系で評価し、ドッキングシミュレーションにより構造活性相関を、カテキンをモデルに明らかにする。

Causes of Carryover

当該年度においては細胞培養実験の遅れにより使用金額を変更することとなった。次年度については、当該年度に予定していた実験を遂行することで助成金を使用する。