2022 Fiscal Year Annual Research Report
魚油代謝物のアレルギー症状緩和作用の機序解明と、その類縁体の構造活性相関解析
Project/Area Number |
20K05891
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西 甲介 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (80578097)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ドコサヘキサエン酸 / DHA / アレルギー / 構造活性相関 / ドコサヘキサエノイルエタノールアミド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、魚油等に多く含まれるn-3長鎖多価不飽和脂肪酸の一つであるドコサヘキサエン酸(DHA)のアレルギー症状緩和効果の作用機序の解明、およびDHA代謝物類縁体の抗アレルギー活性における構造活性相関を解析する。これまでの研究結果から、DHAのアレルギー症状緩和効果は、その代謝物の一つであるドコサヘキサエノイルエタノールアミド(DHEA)に基づく可能性が見出されている。 最終年度では、作製方法を確立した食物アレルギーモデルマウスを用いて、DHEAの経口投与が食物アレルギー反応に及ぼす影響について検討した。その結果、脾細胞によるTh2サイトカインIL-4、IL-5、IL-13の産生量の減少傾向が認められた。これは以前に花粉症モデルマウスを用いて同様の検討を行った際の結果と一致しており、DHEAの経口投与がTh2サイトカイン産生を抑制する現象の再現性を確認することができた。また、これまでにDHAあるいはDHEAの標的と報告されているGPRに対して薬理学的検討を行った結果、DHEAによる抗アレルギー効果はこれらのGPRを介さず、他の標的因子を介することが示唆された。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として、DHEAは抗原刺激により活性化する細胞内シグナル伝達経路を下方制御してマスト細胞の活性化を阻害すること、および、DHEAの経口摂取はIgE抗体の産生を阻害しないことを明らかにすることができた。加えて、n-3長鎖多価不飽和脂肪酸のエタノールアミド誘導体は、DHEAと同等のマスト細胞活性化抑制効果を有することを明らかにした。一方、n-3長鎖多価不飽和脂肪酸以外の長鎖脂肪酸エタノールアミドのマスト細胞活性化抑制効果は弱いことを明らかにした。このことから、長鎖脂肪酸エタノールアミドのマスト細胞活性化抑制効果は、二重結合の位置が重要であることを明らかにすることができた。
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[Presentation] クミン (Cuminum syminum L.) の脱顆粒抑制活性及び活性寄与成分の解明2022
Author(s)
小原理加, 石田萌子, 宮川楓加, 菅原卓也, 西甲介, 恩田浩幸, 吉野七海, 米山茄那, 裏谷瑞穂, 平池葉月, 良知桃子, 菊崎泰枝
Organizer
日本香辛料研究会第36回学術講演会
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[Presentation] 食品成分の抗アレルギー効果とそれを活用した商品開発2022
Author(s)
菅原卓也, 安永翔, 原裕子, 白石敦, 坂根由梨, 鎌尾知行, 竹澤由起, 大橋裕一, 菊池泰三, 窪千明, 門田歩, 西甲介
Organizer
日本生薬学会第68回年会
Invited
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