2021 Fiscal Year Research-status Report
Studies of vaso-relax and anti-hypertensive foodstuffs for elderly humans
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20K05898
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
藤田 裕之 京都先端科学大学, バイオ環境学部, 教授 (70523819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血圧降下作用 / 動脈弛緩 / 摘出血管標本 / 食品 / 血管内皮由来弛緩作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、動脈弛緩活性を示す物質として見いだしたブルーベリー葉抽出物は、血管内皮依存性であることが示唆され、これについて検討を進めた。血管内皮由来弛緩因子(EDRF)としては、一酸化窒素(NO)やプロスタグランディンI2が知られていることから、これらの物質の合成阻害剤を用いた薬理学的実験を実施した。その結果、PGI2の合成に関わるサイクロオキシダーゼの阻害剤のアスピリン、インドメタシンでこの弛緩反応が阻害されたが、NO合成酵素阻害剤のL-NAMEによってはまったく阻害を受けなかったことから、ブルーベリー葉抽出物は血管内皮からPGI2を介して弛緩反応を示すことが明らかとなった。 一方、ブルーベリー葉抽出物の弛緩作用について、タキフィラシーを示すことが示唆されたが、これについて明確にするとともに、実験系のさらなる改善を行い、繰り返し弛緩作用が得られる条件を見いだす。今回、高血圧自然発症ラット(SHR)の頸動脈、および腸間膜動脈血管を用いることで、比較的タキフィラキシーが生じにくかったことから、今後SHRの血管を用いて実験を進めることで、問題が解決されると考えられた。昨年度では、この反応が、血管内皮由来の弛緩反応であることがわかったが、これには、さらに、ポストレセプターについて検討するため、血管弛緩反応を示す血管作動生ホルモンであるブラジキニン、タキキニン類の種々のアンタゴニストの前処置による影響について検討を進める。 さらに、ブルーベリー葉抽出物に含まれる弛緩活性物質の単離構造決定や、老齢SHRでの動脈弛緩反応について検討を行い、本申請の目的を遂行できるようにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動脈弛緩活性を示す物質として見いだしたブルーベリー葉抽出物の、弛緩反応のメカニズムの解明については、血管内皮依存性であることが示唆され、これにはPGI2を介して弛緩反応を示すことが明らかにできた。 さらに、ブルーベリー葉抽出物の弛緩作用について、高血圧自然発症ラット(SHR)の頸動脈、および腸間膜動脈血管を用いることで、比較的タキフィラキシーが生じにくいことを見いだせたことから、さらに、ポストレセプターについて検討するため、血管弛緩反応を示す血管作動生ホルモンであるブラジキニン、タキキニン類の種々のアンタゴニストの前処置による影響について検討を進める。 他の食品成分のスクリーニングについては、現状進んではいないが、今年度進める予定であり、進める上での支障はない。 さらに、ブルーベリー葉抽出物に含まれる弛緩活性物質の単離構造決定や、老齢SHRでの動脈弛緩反応について検討を行い、本申請の目的を遂行できるようにする。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度購入した小動物血圧測定装置は、無加温でラットの血圧を測定できることから、侵襲性の低い装置であり、現在試験実施に向けて準備中である。まず、コントロールとして正常なラット(WKY)と、高血圧自然発症ラット(SHR)を購入し、血圧の比較が可能かどうか検討した。今後、実際に動脈弛緩反応を示すブルーベリー葉抽出物を使用して血圧降下作用を示すか検討を実施する。 なお、すでに導入済みのLC-MS用のフォトダイオードアレイ検出器は、詳細な分析に使用可能なことがわかり、ブルーベリー葉抽出物からの活性成分単離に展開する予定である。 一方で、食品成分のスクリーニングで目標とした200種までには到達できていないため、さらに弛緩活性の強い抽出物のスクリーニングを進めていく。特に、当初の目的である、老齢化ラットに有効な血圧降下作用を示す物質を探索すると言う観点でもまだ検討ができていないため、今年度は地場の京野菜の抽出物も含めて追加して実施し検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験に使用する餌代等、の購入代がかかる予定であったが、実際には支出できなかった。これについては、次年度動物実験を行う際に使用する予定である。
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