2021 Fiscal Year Research-status Report
介護食用レトルトパウチ入り食品の内容物の硬さと封液粘度の未開封・非破壊・全数計測
Project/Area Number |
20K05908
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
羽倉 義雄 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (50237913)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 2次元圧力分布 / 弾性率 / 硬さ / パウチ |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元圧力分布測定装置を荷重(応力)検出器として用いることにより、パウチ内に密封された複数の食材の弾性率(硬さ)、パウチ内の局所的に硬い部分(骨や異物)を計測する技術の確立を目指した。加熱程度が異なる食材(ニンジン、ジャガイモ、豚肉)をパウチ内に封入し、これをパウチ封入試料とした。材料試験機の下部ステージに2次元圧力分布測定装置のシート状センサを取り付け、その上にパウチ封入試料を静置した。上部ステージを降下させ、試料表面と接触した後、微小変位を加え、パウチ全面の荷重分布を2次元的に測定した。2次元圧力分布測定装置では、シート状センサの1画素(ピクセル)ごとの荷重が計測でき、1画素あたりの面積が分かっているため、センサ全面の画素ごとの応力を計測することができる。そこで、センサ上の食材が存在している画素を抽出し、個々の食材のピクセル毎の発生応力を求めた。食材中で発生応力が最も大きいピクセルを選び、その食材の硬さ評価の代表とした。さらに、封入する食材の高さが、食材のひずみに影響するため、初期荷重時の各画素の応力変化からオンセット変位を食材ごとに計測し、食材の高さを厳密に計測する手法を確立した。これにより、微小変位による食材に加えたひずみを正確に把握することが可能になり、食材の弾性率を高精度で測定できるようになった。さらに、加熱程度をより細かく設定した食材を用意し、食材の弾性率と破断荷重(硬さ)の関係を調べ、両者の間に良好な正の相関関係があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食材中で発生応力が最も大きいピクセルの抽出法を確立した。初期荷重時の各画素の応力変化からオンセット変位を食材ごとに計測し、食材の高さを厳密に計測する手法を確立した。これにより、微小変位による食材に加えたひずみを正確に把握することが可能になり、食材の弾性率を高精度で測定できるようになった。さらに、加熱程度をより細かく設定した食材を用意し、食材の弾性率と破断荷重(硬さ)の関係を調べ、両者の間に良好な正の相関関係があることを明らかにした。以上の結果から、当初の計画通り進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
食材の初期形状が計測される弾性率に影響があることが明らかになった。そこで、異なる形状の複数の食材が同時に存在する条件での、弾性率の計測技術を確立する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の流行のため、学会発表等の学外出張が出来なかったため。学会発表はWeb開催であるため発表は行うことができた。次年度の使用計画としては、対面による研究成果の発表機会を増やすとともに、周辺技術の技術動向調査を積極的に行い、研究の更なる深化を図る。
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Research Products
(2 results)