2022 Fiscal Year Annual Research Report
電磁界解析に基づく安全簡単な本格的遠赤外線クッキングパンの新規開発
Project/Area Number |
20K05910
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
藤田 萩乃 石川県立大学, 生物資源環境学部, 講師 (90845190)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 油 / 誘電体 / インピーダンス / IH |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究では、IH調理においてアルミニウム箔を使用することで、モレ電磁界の効果により揚げ物が美味しく、焦げなく調理できる経験的な現象を、電気化学的手法で明らかにすることを目指した。具体的には、多くの食用油の主要な脂肪酸であるオレイン酸を用いて、W/O型エマルションを超音波ホモジナイザーで調整し、インピーダンス周波数特性とNMR測定を行った。しかしながら、モレ電磁界の効果を特徴付ける物性値の特定には至らなかった。今後は他の脂肪酸や混合油での試験を行う予定である。 本研究の目的は、美味しく本格的な料理を簡単に再現する方法を追求することである。そのため、新たな調理方法と調理器具(ナベ)を提示することを目標とした。提示するナベは、調理機器との応答性が良好で、食材の離型性、直接伝熱や放射伝熱、対流伝熱の割合を任意に設計できることが求められ、経年劣化によって変化しないことが求められる。開発したナベは「使い切り」で、ガスでもIH調理器でも使用できるアルミニウム箔を成形したものである。放射材を擂潰したシリコーン塗膜をアルミニウムシートにコーティングすることで、離型性と放射伝熱量を任意に設計できるようにした。当初は白金付加加硫による硬化であったため、成形時に塗膜が剥がれ落ちる問題があったが、縮合反応硬化による架橋剤を選定し、経時変化を観察した。その結果、2020年度に成形したサンプルは2年の経時変化後も安定した塗膜を維持できていることが分かった。放射塗料に関する特許は登録番号6839441として、2021年1月に権利され、放射塗料を塗布したナベに関する特許も出願しており、現在は審査請求待ちの状態である
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