2021 Fiscal Year Research-status Report
脳内オピオイド産生の計測制御による過食のメカニズムの解明
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20K05933
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
太田 宏之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 薬理学, 講師 (20535190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 教授 (10449069)
今野 歩 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40509048)
古賀 農人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 助教 (70744936)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エンケファリン / 摂食障害 / 過食 / 大脳基底核 / 線条体 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は摂食行動の「反復」によって引き起こされます。摂食行動の反復は基底核-中脳報酬系によって制御されていますが、未だその機序が完全に解明されたわけではありません。これまでの研究により、基底核の代表的な脳内オピオイドであるエンケファリンは摂食行動への関与が示唆されているものの、具体的な関連は不明でした。そこで本研究では、エンケファリンが摂食行動の反復において果たす役割を明らかにします。 本研究では、エンケファリン産生遺伝子(pro-Enkephalin; PENK)をノックアウトするCRISPR-Cas9とsgRNAを組み込んだアデノ随伴ウイルス(AAV)を作成しました。作成したAAVをマウスの大脳基底核・線条体に導入して、各種の行動実験を行いました。 お菓子類を自由に食べられる状態で1か月飼育したところ、コントロールマウスに比べて、体重の増加が抑えられました。摂食行動が長く続かないことがこの体重の増加の抑制に寄与している可能性があるため、規格化された小ペレットの反復摂食行動をビデオ撮影し、摂食時間および摂食間隔を解析しました。また、新規に開発した24時間連続型オペラント箱および確率的な報酬に基づく5本腕バンディット課題を行いました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時点においては、PENKプロモーター下流に発光タンパクのAkalucを発現させ、摂食行動時のPENKプロモーター活性をin vivo計測する研究計画であった。しかし、当該のコンストラクト(AAV-PENK-mCMV-Venus-Akaluc)を作成し線条体に発現させた結果、発光のin vivo計測は可能であったものの、日をまたいだ計測値が一定ではなく、定量的な解析がほぼ不可能であることがわかった。原因は、発光基質のAkalumine (i.p. or i.v.)の脳内への到達が一定ではないためであると推定された。そのため、PENKのノックアウトをCrispr-Cas9を用いて行うことで、エンケファリンの機能推定を行う計画に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
反復摂食行動のビデオ解析に関して、ディープラーニングを用いた前肢および口腔の位置同定を行うことで、規格化された小ペレットの摂食に必要な時間および摂食間間隔の解析を行う。
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Causes of Carryover |
感染症の状況により、実験が遅れているため。
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