2022 Fiscal Year Annual Research Report
HPLC-ESR分析法による含着色成分青果物の高抗酸化活性物質の探索と機能評価
Project/Area Number |
20K05937
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田嶋 邦彦 愛媛大学, 農学研究科, 研究員 (50163457)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HPLC-ESR / スーパーオキシドラジカル / ESRクロマトグラム / 抗酸化活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
HPLC-ESR分析装置は、カラム下流で流通型光照射セルを使用して定量的に生成するSORをDMPOで補足し、そのESR信号(DMPO/O2)を流通型ESRで検出する。DMPO/O2のESR信号強度はカラム溶出液に含まれる抗酸化活性物質(Aox)の活性と濃度に依存して減少するので、その時間変化をESRクロマトグラムとして記録する。 今年度は、2種類の既知物質(コーヒー酸(CA)およびクロロゲン酸(CGA))の等濃度混合溶液についてHPLC-ESR分析を実施し、それらのESRクロマトグラムの線形と強度をSORに対するDMPOとAoxの競争反応と仮定して反応速度論的に解析した。まず、CAとCGAの吸光係数から両者のUVクロマトグラムを濃度変化曲線([CA]tおよび[CGA]t)に変換した。次に、[CA]tおよび[CGA]tに基づいてESRクロマトグラムの線形解析を行い、CAおよびCGAのSOR消去活性をID50として評価した(CAID50およびCGAID50)。しかし、区分求積法で評価したCAおよびCGAのESRクロマトグラムの面積強度と両者のID50に相関性が認められなかった。 次に、CAを基準物質としてESRクロマトグラムの強度からCA換算濃度([CAeq.])を評価した。CAのESRクロマトグラムから算出した[CAeq.]の時間変化曲線は[CA]tと一致し、その面積強度(IntCA)はCAの総モル数に等しい。他方、CGAのESRクロマトグラムから得た[CAeq.]の時間変化曲線の面積強度(IntCGA)とIntCAの比 (IntCA/IntCGA)は両者のID50の比(CGAID50/CAID50)と一致した。 今年度の研究でHPLC-ESR分析で得たESRクロマトグラムの面積強度からカラム溶出成分の抗酸化能力を、CAを基準物質として数値化する解析法が確立できた。
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Research Products
(4 results)