2020 Fiscal Year Research-status Report
Study of gallic acid about the function as an epigenetic controller for glyconeogenesis.
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20K05942
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 祐司 高崎健康福祉大学, 薬学部, 講師 (90453422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大日方 英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50332557)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | KDM2A / 没食子酸 / Gallic acid |
Outline of Annual Research Achievements |
前提となるこれまでの解析から、MCF-7への没食子酸処理はメトホルミン処理と同様にAMPKを活性化でき、これを必要としてKDM2A依存的な制御を誘導し細胞増殖を抑制する事が分かっていた。今年度は、まず没食子酸によるKDM2A制御機構をより詳細に明らかにする目的で、以前より使用している乳がん細胞株を用いた解析を進めた。その結果、没食子酸とメトホルミン処理の異なる点として、メトホルミン処理時に見られたコハク酸量の減少が没食子酸処理では見られなかった。また、没食子酸処理で見られるROSの発生はメトホルミン処理では見られない事が分かった。ここまでの解析結果をまとめ論文として報告した(Cells 2020)。これに加えて、没食子酸誘導体の解析も行ったところ、誘導体も類似の活性が発揮できるものの、追加された官能基の違いによりKDM2A依存的現象の誘導強度が異なることが示唆された。現在、没食子酸とその誘導体処理による代謝産物の変動を解析し、代謝産物への影響の違いを解析している。 次に、肝臓細胞株HepG2の培養系を立ち上げ、没食子酸処理によるKDM2A活性誘導の検討を開始した。その結果、没食子酸処理を行うと処理濃度に応じてrRNA転写抑制が生じる事が分かった。また、糖新生に必須の遺伝子の発現への影響の解析を試みたが、現在の培養条件だと、これらの遺伝子発現レベルが低く、変動を解析できない事が判明したため、現在は解析条件を改善している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、大学講義などのエフォートが予想よりはるかに上昇したために、研究に割けるエフォートが減少してしまった。この状況は今後も継続すると予想される事から、研究案の効率化を目的とした実験内容の変更も考えたい。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、当初の目標である没食子酸によるKDM2A依存的rRNA転写制御の誘導機序の解析を進め、没食子酸、及び誘導体による調節機序を明らかにし、後に行う肝臓細胞での抗高血糖への作用解析の一助とする。次に、肝臓細胞系での没食子酸、又は状況によっては没食子酸誘導体処理による作用を解析するが、現時点では肝臓がん細胞株のHepG2での解析条件に改善が必要であることが分かったため、糖新生解析条件を確立する。難しければ糖新生やグルコース放出に適した培養細胞を探し、解析に用いる。既に没食子酸による抗高血糖作用は報告されているもののその機序については殆ど不明であるため、抗高血糖作用の機序について、リボソームRNA転写を通じた機序とそれ以外の新規制御遺伝子の探索を進め、機序を明らかにしていきたい。現象が明らかになれば、マウスモデルでの検討を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、大学講義などのエフォートが予想よりはるかに上昇したために、研究に割けるエフォートが減少してしまった為に研究時間が減少し研究自体があまり行えなかった。使用額については、必要物品の納品の遅れに伴い、執行が次年度となってしまったために、残額が大幅に残る結果となってしまった。
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Research Products
(4 results)