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2021 Fiscal Year Research-status Report

表層微小管重合と二次細胞壁成分分泌におけるFAB1の新機能の解明

Research Project

Project/Area Number 20K05962
Research InstitutionKyoto Prefectural University

Principal Investigator

平野 朋子  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20724496)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsFAB1 / KINESIN12 / PI(3,5)P2 / 根毛 / 二次細胞壁成分の輸送 / 後期エンドソーム
Outline of Annual Research Achievements

我々の先行研究より,FAB1は,植物において,分子内のFYVEドメインでPI3Pと結合し,キナーゼドメインによってPI(3,5)P2を生成することを報告してきた.しかしながら,分子内には,他に,コイルドコイル,シャペロニンなどのドメインが存在し,これらの機能は不明であった.また,FAB1はチューブリンやPFDなどの微小管関連因子と結合することがわかっていたが,PI(3,5)P2生成との関連が予想もつかない状態であった.
本研究において,FAB1は2つの機能をもっており,第一に「二次細胞壁成分の輸送のためのPI(3,5)P2というタグ生成酵素」と第二に「表層微小管の重合反応の触媒」の機能をもっていることを示唆された.
すなわち,FAB1の変異体と類似する変異体syp123, vamp727やFAB1と結合がみられるKINESIN12の変異体とオルガネラマーカー,ホスホイノシタイドマーカーを駆使し, FAB1の2つの機能の存在を確認し,これらを切り分けることに成功し,KINESIN12がFAB1の第一の機能を活性化させるという証拠を得た.
さらに,in vitroで精製PFDタンパク質,精製FAB1タンパク質とチューブリンを混合して微小管重合反応を可視化して確かめ,FAB1のコイルドコイル,シャペロニンなどのドメインがこの反応に寄与していることが示唆された.
したがって,今年度は,第一の機能の証明の完成を目指す.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでの研究成果より,FAB1が機能不全のとき,根毛の形態は太く短く規則的な波状で,表層微小管は断片化し,二次細胞壁成分の輸送が遮断されることがわかっている.また,膜交通SNARE分子SYP123やVAMP727の変異体は,太く短く不規則に膨らんでおり,表層微小管に異常が見られず,二次細胞壁の分泌に欠陥があることを詳細に調べ確認した.そして,FAB1と結合することが確かめられているKINESIN12の変異体は,形態,表層微小管の状態,二次細胞壁の分泌の状態がSYP123やVAMP727と同様であることを確かめた.さらに,KINESIN12変異体において通常細胞膜に局在するPI(3,5)P2は,細胞膜に観察されなくなった.以上のことから,FAB1は,第一に「二次細胞壁成分の輸送のためのPI(3,5)P2というタグ生成酵素」と第二に「表層微小管の重合反応の触媒」という2つの機能をもっており,KINESIN12はFAB1の第一の機能を活性化させることが示唆された.

Strategy for Future Research Activity

ゴルジ体,トランスゴルジネットワーク/前期エンドソーム,後期エンドソームなどの各オルガネラマーカー,PI3PやPI(3,5)P2などの各ホスホイノシタイドマーカーを用いて,KINESIN12変異体バックグラウンドにおける,オルガネラの状態やFAB1の活性について,根毛に限定した観察を行う.また,KINESIN12変異体は,PI(3,5)P2の極端な減少が考えられるため,その定量をMS解析によって行う.

Causes of Carryover

2021年度は,コロナ禍により学会などの旅費が使われなかったが,2022年度は対面での学会も増えると考えらえるため,旅費が必要となる.また,計画が進んでいるため,論文投稿料も必要である.これらを使用計画にしている.

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 3 results)

  • [Journal Article] Recent Progress Regarding the Molecular Aspects of Insect Gall Formation.2021

    • Author(s)
      Takeda S, Hirano T, Ohshima I, Sato MH.
    • Journal Title

      Int J Mol Sci.

      Volume: 22 Pages: 9424-9435

    • DOI

      10.3390/ijms22179424.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 「虫こぶ」形成の謎は解明しつつある2022

    • Author(s)
      平野朋子
    • Organizer
      日本植物生理学会
    • Invited
  • [Presentation] おいしい家をつくる 虫のすごい能力を探る2021

    • Author(s)
      平野朋子
    • Organizer
      新自然史科学創成センターシンポジウム
    • Invited
  • [Presentation] 昆虫が植物を改変させて起こす 寄生・共生現象「虫こぶ」の謎に迫る2021

    • Author(s)
      平野朋子
    • Organizer
      日本共生生物学会
    • Invited

URL: 

Published: 2022-12-28  

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