ソバにおける異形花型自家不和合性の制御機構の解明

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K05974
• Research Institution: Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences
• Principal Investigator: 相井 城太郎 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 准教授 (10391591)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 異形花型自家不和合性 / S-supergene / ソバ

Outline of Annual Research Achievements

フツウソバの生殖は、異形花型自家不和合性に基づき行われる。異形花型自家不和合性は、他の植物でも見られる虫媒による他殖性強化のための巧妙な機構である。ソバにおいては、花型と自家不和合性を制御する遺伝子複合体がS-supergeneに集約されて異形花型自家不和合性を制御していると考えられている。ソバのS-supergeneの構成因子としては、S-ELF3が単離されているが、異形花型自家不和合性に対する機能的役割は未解明である。そこで、ソバのS-supergeneが如何にして複数の形質を制御しているのかを明らかにするために、花の空間的形態多型調査とトランスクリプトーム解析を実施する。
野生型の短花柱花と長花柱花、突然変異体の等長花柱花の蕾の縦断切片の経時的観察から、それぞれの花の形態多型は開花3日前より生じることが示された。花の形態多型は、各器官を構成する細胞の伸長差異に起因することが明らかとなった。
ソバの6,240系統の突然変異集団の中から、S座領域に欠失をもつ新規の突然変異体を1点単離した。
本年度は、上記の計画に基づき、花器官のトランスクリプトーム解析を予定していたが、研究代表者が病気を発病したため、研究の中断をやむなくされている。次年度に実施困難な場合を想定し、研究計画の見直しを行った。具体的には、新規に発見した突然変異体のゲノム解析を実施することで、ソバのS-supergeneを構成する遺伝子群を特定する予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究代表者が病気を発病し加療のため研究中断期間が生じたので、進捗状況は「遅れている」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

花器官のトランスクリプトーム解析を実施し、特異的な転写産物を見出す。新規に単離した変異体との比較ゲノム解析を実施することで、ソバのS-supergeneを構成する遺伝子群を特定する。

Causes of Carryover

研究代表者が病気を発病し、加療のために研究活動を中断していたため。