2022 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanism of devernalization to realize high yield
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20K05977
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
黒田 洋輔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (40595071)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脱春化 / テンサイ / 抽苔 |
Outline of Annual Research Achievements |
脱春化応答性に関与する塩基多型を探索するためにQTL解析を実施した。解析集団は、脱春化応答性の異なる2種類の系統(P1とP2)を両親とした交雑した後代の分離(F2)集団である。 (a) F2集団を用い、脱春化応答性の表現型を調査した。表現型の調査に使用した植物体は、室温(20C)で播種後約40日の育苗期間と低温で約150日間の春化処理期間を経て、開花誘導させた幼苗である。脱春化応答性は高温条件で誘発されるため、幼苗はその後、20C~30Cのレンジで設定された高温条件のガラス室内で約2ヶ月間生育させた。生育期間中に、開花誘導に伴い伸長した抽苔茎の長さを定期的に計測した。最終調査では、P1の抽苔茎長は平均63cmであり、P2の抽苔茎長は平均2cmとなり、両親間で顕著な表現型の違いが認められた。296個体のF2の抽苔茎長は平均32cmであり、両親の値を含む広い変異が認められた。 (b) 遺伝子型の判定には、F2集団296個体のうちの200個体を使用した。GRAS-Di法により両親間の多型SNPの情報を得て、テンサイの9本の染色体に広く分散した301箇所のSNP情報より連鎖地図を構築した。 (a)表現型と(b)遺伝子型の情報を利用してQTL解析を実施した結果、数箇所のQTLが検出された。そのうちの1箇所は寄与率が高く、脱春化応答性を支配する重要なQTLであることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書で提案した研究が計画通り進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進捗しており、現時点では計画の変更は予定していない。
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Causes of Carryover |
昨年度の次世代シーケンス解析の個体数を296個体から200個体に減少させたため。これにより発生した未使用額は、本年度の研究の推進(昨年度の結果の再現性の実験)に使用する。
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