2023 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanism of devernalization to realize high yield
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20K05977
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
黒田 洋輔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (40595071)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脱春化 / テンサイ / 抽苔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、栄養成長期間が長いほどバイオマス生産性が向上するテンサイについて、「一度獲得した春化を解除する仕組み」を明らかにすることを通じて、従来から用いられてきた種子や苗の代わりに、より生育の進んだ植物体(以下「肥大根」と呼ぶ)を春の段階で定植する新たな栽培方法を検討する。令和5年度は、これまでに見出された2種類の脱春化しやすい感受性系統(「NK-195BRmm-O」、「NK-377mm-O」)に加え、新規系統の探索を試みた。材料は遺伝的背景が多様な100種類からなるテンサイのコアコレクションである。慣行法の約2倍の育苗期間(86日間)を設け、大型の苗(肥大根)を養成し、99日間の春化処理を加えて、花芽を誘導し、高温のガラス温室(平均24.9℃)で15日間の脱春化処理を与えた。その後、6日間のハードニング期間を経て、圃場へ定植し、抽苔率を9月中旬に調査した。調査の結果、コアコレクションの平均抽苔率は70.2% (標準偏差 30.9%)であり、9種類の抽苔率が10%以下に抑制された。この9種類はこれまでに見出された2種類の脱春化しやすい感受性系統(「NK-195BRmm-O」、「NK-377mm-O」)よりも抑制効果が強い傾向を示したことに加え、そのうちの4系統は「NK-377mm-O」と共通の系統に由来しており、遺伝形質である可能性が示唆された。なお、本実験では、低温要求性の程度(抽苔耐性の強さ)が異なる様々な系統変異が存在することを考慮して、抽苔耐性の基準系統である「モノホマレ(“強”基準)」、「モノパール(“やや強”基準)」、「モノヒカリ(“中”基準)」については、脱春化処理を加えない処理区を設けている。基準系統の抽苔率はいずれも100%であったことから、いずれの系統でも春化処理期間が十分に満たされていたと考えられる。よって、今回新たに見出された9種類は、新たな感受性系統として有望である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の3つの課題について、概ね順調に研究が進んでいる 1 短期間の脱春化処理で花芽の誘導が抑制できる脱春化応答性の高い系統の特定: (概ね完了) 2 脱春化応答性に関与する候補発現遺伝子の絞り込み:(概ね完了) 3 脱春化応答性に関与する塩基多型の探索と候補遺伝子の解明:(概ね完了)
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、見出した材料の生物学的特性(脱春化感受性)の有用性を精密圃場で評価することに加え、次世代シーケンス解析のデータを確認して、候補遺伝子のさらなる絞り込みを進める。
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Causes of Carryover |
以下の3つの課題について、概ね順調に研究が進んでいるが、1年間の延長期間を設け、研究成果を精緻化する。特に、「短期間の脱春化処理で花芽の誘導が抑制できる脱春化応答性の高い系統の特定」を目的とした課題において、 R5までに特定した系統を、R6年度に精密圃場で有効性を実証する他、次世代シーケンス解析データの再確認作業を進める、
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