2020 Fiscal Year Research-status Report
Intraspecific cross-compatibility based on the genetic classification of Brassica napus
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20K05980
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
津田 麻衣 筑波大学, 生命環境系, 助教 (20767511)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遺伝子組換え / 遺伝子浸透 / セイヨウアブラナ |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに、遺伝子組換え系統に近い遺伝的背景を持つ系統や遺伝子組換え品種の母品種として使われる品種と、日本に自生していた系統間の開花期重複性や交雑親和性を評価したところ、大きく開花期がずれることや交雑親和性が低いことなど遺伝子浸透を隔離する要因は見つからなかった。今後は、これらの交雑組み合わせにおいて、核ー細胞質のタイプ別の組み合わせに分類して、再度親和性を評価する予定である。 次に、遺伝子組換えナタネのこぼれ落ち個体が多数確認されている三重県四日市港湾周辺の河川敷に生息するナタネ類と、その個体に結実した次世代種子をサンプリングし、ナタネ間の交雑実態を推定した。 河川敷に生息したナタネ類のうち、6割が遺伝子組換え個体であり高い割合であったことから遺伝子組換え個体と非遺伝子組換え個体間の遺伝子浸透が生じやすい状況であることが想定されたが、実際に各個体の交雑実態を推定したところ、それぞれの個体は77%は自殖であった。他殖が推定された23%のうち、8%は遺伝子組換えナタネを花粉親とした遺伝子浸透につながると考えられる交雑であった。 一方で、実際の自生地調査においては、ナタネの輸送中にトラック等からこぼれ落ちたと推測できる個体が多く、遺伝子組換えナタネ自体が定着して集団を拡大しているような状況は確認されなかった。自生個体の遺伝子組換えナタネの割合が高いにも関わらず交雑率はけして高くはないことから、遺伝子組換えナタネが拡大しない要因を明らかにするために、再度現地調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により当初予定していた2020年度の調査は実施できなかったが、あらかじめ調査していたサンプルを解析することで担保し、予定通りの進展をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
ナタネの核ー細胞質のタイプの組み合わせによる交雑親和性の詳細な調査を2021年度に実施するとともに、広範な自生地の交雑実態を詳細に解析し明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により当初予定した現地調査が実施できなかった。そこで、2021年度に代替としてすでに2019年に採取したサンプリングを広範に解析する方針に変更し実施する予定である。
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Research Products
(1 results)