2020 Fiscal Year Research-status Report
イネの分枝パターン形成と小穂器官形質形成を繋ぐ遺伝的プログラムの解析
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20K05986
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
永澤 信洋 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (90599268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永澤 奈美子 (佐藤奈美子) 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00535289)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エンハンサー / apo1 / lax2 |
Outline of Annual Research Achievements |
lax様の新しい突然変異体を用いて研究を行っているが、申請時にはLAX1の突然変異体ではないことは判明していたが、LAX2遺伝子の突然変異体であるかどうか明確でなかった。2020年にマッピング集団を作成し、マッピングを行ったところ、LAX2遺伝子座と一致したため、lax2であることが明らかになった。またこの実験を行う過程で、laxの形質を示すホモ個体をindicaイネであるKasalathと交配して得たF2集団から選抜するが、そこでlax様の形質を示す個体の中から、エンハンサーと考えられる異常を示す個体がほぼ1/4で分離してくるのを発見した。そこで急遽これらの異常を示す個体からDNAを抽出しマッピングしたところ、第7染色体上にマッピングされることを見出した。 LAX2遺伝子とAPO1遺伝子の2重劣勢突然変異体の小穂内部で繰り返し鱗被が形成されることからLAX2とAPO1遺伝子の間になんらかの相互作用があるのではないかと考え実験を行っているが、今回の発見はLAX2遺伝子と相互作用し、おそらくエンハンサーとして機能をしている新しい遺伝子が、indicaイネでは働いていない状態になっていることを示している。この遺伝子はAPO1と同様にLAX2遺伝子となんらかの相互作用があるのではないかと考えられる。一方で、LAX2が正常ならこの遺伝子が働いていないと考えれる品種でも異常を示さないので冗長的に働いているとも考えれる。また、LAX2遺伝子と関わりのある遺伝子の機能がイネの品種によっては異なっているとも考えれる。LAX2遺伝子の働きは分枝の形成であることを考えるとこの遺伝子が分枝の形成に影響している可能性も考えられ、イネの穂型の形成と関係があるのではと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マッピングは予定通り行い、予期しない新しい展開もあったものの、様々な社会的状況により、夏休み中に授業をせざるを得なくなり、apo1 lax22重劣勢突然変異体の解析については予定通りに進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な方針は転換する必要がないと考えているが、仮称LAX2-enhancerの単離も目指すことにし、LAX2-APO1 LAX2-LAX2-ENの間の関係を形質の解析や遺伝子発現解析で明らかにしていき、さらに分子レベルでも証明していきたい。
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Causes of Carryover |
サンプリングが予定よりも少なくなったため、発現解析も十分行えなかったが、それらの実験に用いる消耗品への支出を翌年に回したため。使用の用途はinsitu hybridizationなどの遺伝子発現解析を予定している。
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