2022 Fiscal Year Research-status Report
イネの分枝パターン形成と小穂器官形質形成を繋ぐ遺伝的プログラムの解析
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20K05986
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
永澤 信洋 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (90599268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永澤 奈美子 (佐藤奈美子) 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00535289)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | FZP / LAX2 / 遺伝的相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
lax2-5突然変異体を単離し、マッピングする過程で、lax2-5では見られない形質を示す個体が分離した。分離した個体の表現型はfrizzy panicle突然変異体で見られる異常と類似のものであった。分離比からlax2-5をホモで持ち、かつカサラス由来の劣性の因子が共に働くことで、この形質が発現すると推測できた。そこで、この原因遺伝子のマッピングを行ったところ、100Kbほどの領域を候補として絞り込むことができた。この領域にはFRIZZY PANICLE(FZP)遺伝子が座上していたため、原因はカサラス由来のFZP遺伝子(FZPka)であると考えられた。まず、FZPkaのアミノ酸配列に違いがあるか対応するゲノムDNAの配列を調べたが、違いは認められなかった。そこで既に明らかにされているカサラスのゲノム配列と日本晴の塩基配列をFZP座の周辺で比較した。違いが見られたのは3’UTR領域のマイクロサテライト内と5.8Kb上流の18bpのリピートのコピー数がKasalathでは2コピーであきたこまちは1コピーだった。さらにFZP遺伝子の発現をreal time PCRで定量したところ、異常を示す個体ではFZPの発現がほとんど見られなかった。したがって、この異常はFZPの機能低下ではなく、発現量の低下で説明できると考えられた。FZPの転写を行うタンパク質の複合体にLAX2が入っているか分からないが、その働きはあきたこまちでは補償されるか必須ではないのではないかと考えられた。 塩基配列に違いがある部分がいくつかあので、あきたこまちとKasalathの調節領域をキメラにもつFZP遺伝子を異常を示す個体に導入することにより、形質が回復するか調査することで、関与している調節領域を特定する実験を現在行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ABCモデルの遺伝子の発現をlax2とapo1の2重劣性突然変異体で調べることで花器官形成のプログラムと分枝を制御するプログラムの繋がりを明らかにするという予定していた実験も行っている。分枝を制御する機構を構成しているLAX2遺伝子が思った以上に多くの遺伝子と相互作用している可能性を示すことができていると考えており、研究の幅はむしろ広がっているので、実験は計画以上に順調に推移していると考えている。しかし、論文作成の準備などを考慮するとむしろ遅れていると考えられるので、総合的にはおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まだいくつか形質転換体を作成し、明らかにしなければらない部分がある。最近得られたデータを考えると作成すべきと考えられる新たな形質転換体もある。どちらにしてもまだ幾つか決定的なデータが論文を作成するには必要である。予定では研究をまとめる段階に入るべきであるが、論文の準備とともに実験も行っていく。
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Causes of Carryover |
予定が遅れ、形質転換体の作成を2023年にも計画しているのでそのために資金が必要と判断し、2023年に資金を回した。
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Research Products
(1 results)