2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of G-protein signaling pathway controlling plant height, panicle and seed size in rice.
Project/Area Number |
20K05987
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
三浦 孝太郎 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (70571561)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イネ3量体Gタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
小課題1 各γサブユニット変異体におけるαサブユニットの状態の解析:小課題1では、αサブユニットにHAタグを融合したタンパク質を各γサブユニット変異体に発現させて免疫沈降を行う事で、γサブユニット変異の影響でαサブユニットが単体で存在するか、3量体を形成しているかを明らかにする。令和3年度は、このHAタグ融合タンパクを形質転換した植物体を栽培し、その表現型を観察した。その結果、HAタグ融合タンパクを有する形質転換体は非形質転換体と異なる表現型を示した。この結果から、HAタグがシグナル伝達に作用していると推測し、抗αサブユニット抗体を用いた実験にシフトした。また、γ4、γ5遺伝子の欠損変異体を用いた解析により、これら2つの遺伝子が冗長的にイネの草丈を制御する事を明らかにした。 小課題2 イネGタンパク質関連変異体の遺伝子単離:課題申請者は、これまでにGタンパク質変異体に類似した小さな種子を形成する変異体を多数見出している。これらの変異体の内、3系統がd1変異体と同様の小さな種子を形成するが、d1との二重変異体でもd1と同様の種子を形成することが明らかになっている。すなわち、これら3系統の変異体はd1と同一のシグナル伝達を制御する遺伝子の変異体であることが期待出来る。令和3年度は、これら3系統の変異体の内、2系統の候補遺伝子をCRISPR/Cas9系で遺伝子破壊を行い、その同様の表現型が出現することを確認できた。 小課題3 新規3量体Gタンパク質関連タンパク質のタンパク質相互作用解析:小課題2で新たに同定した候補遺伝子について、令和2年度に引き続き抗Gα抗体を用いて免疫沈降実験を行ったが、直接の相互作用は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたとおり、Gαタンパク質が変異体の生体内でどういった状態で存在するのか明らかにするための形質転換体の作出が順調に進んでいる。 3系統の関連変異体の内2系統について原因遺伝子の特定に至った。 Gタンパク質関連遺伝子の相互作用実験については、当初はYeast-Two-Hybridなどを予定していたが、特異性の高い抗Gα抗体が得られたことから生体内での直接結合をIP-MSによる解析で調べている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの計画通り、形質転換体を用いた実験によってGタンパク質の生体内での構と、関連変異体の解析を進める事で、イネGタンパク質のシグナル伝達経路の解明を目指して研究を推進する。
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Causes of Carryover |
形質転換体の作成に時間がかかったため栽培に係る消耗品費に残額が生じた。年度をまたいで栽培を継続するため、植物栽培に係る消耗品費として執行する。
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Research Products
(2 results)