2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K05990
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
原 新太郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 研究員 (10647019)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修正 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70370921)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ダイズ根粒菌 / Bradyrhizobium / 緑肥 / rpoB / 土壌微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、Bradyrhizobium属細菌のrpoB遺伝子を網羅的に含み、Bradyrhizobium属細菌以外のrpoB遺伝子を取り除くことが可能なrpoBデータベースを作成した。代表者の所属の変更がありコロナ禍で県をまたいだ移動が困難であったため、圃場での栽培試験を行うことができなかった。そこで、イネ科植物とダイズ根粒で定着するBradyrhizobioum属細菌の比較を目的とするポット試験を行った。宮城県東北大学鹿島台圃場の水田-ダイズ輪作圃場と、福島県二本松市のソルガム連作圃場の土壌をポットに詰め、ソルガム(イネ科)とダイズそれぞれを栽培し、ソルガム根およびダイズ根粒からDNAを抽出した。続いてrpoB遺伝子をターゲットとしたアンプリコンシーケンスを行い、rpoB遺伝子に基づいてBradyrhizobium属細菌の群集構造解析を行った。その結果、ダイズ根粒では日本で頻繁に検出されるB. japonicumやB. elkaniiと相同性の高い配列がほとんどを占めたが、B. ottawaenseのに相同性の高い配列はほとんど検出されなかった。一方、ソルガム根や栽培前土壌からはB. ottawaenseと相同性の高い配列が5%程度検出された。以上のことから、ダイズ根粒菌B. ottawaenseは日本の土壌に生息していてソルガム根などには生息するが、ダイズでの根粒形成における競争力が低いことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者の所属の変更がありコロナ禍で県をまたいだ移動が困難であったため、圃場での栽培試験を行うことができなかった。そこで、宮城県と福島県の土壌を使ってポット試験を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
規模を拡大したポット試験を行い、前年度までに取得していた圃場で栽培した緑肥植物根のrpoBアンプリコンシーケンスのデータと、今年度のポット試験の結果とを組み合わせ、再解析を行う。
|
Causes of Carryover |
予定していたダイズ・緑肥植物の圃場栽培実験を行うことができず規模を縮小したポット試験を行ったため、次世代シーケンサーを用いたアンプリコン解析の解析数も少なくなった。翌年度は計画を変更し、ポット試験で栽培試験の規模を拡大してアンプリコン解析を行う予定である。
|