2021 Fiscal Year Research-status Report
スィートソルガムの緑肥利用による作物の高付加価値化栽培システムの構築
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20K05991
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
浅木 直美 茨城大学, 農学部, 准教授 (40571419)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ウコン / スィートソルガム / 糖蓄積 / 作物残渣 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度のポット実験より、茎に糖を蓄積しないグレインソルガム残渣の土壌表面施用やショ糖水の添加によりウコンの新生塊根収量が増加する傾向が認められた。本年度は、作物残渣を施用しない無施用区に加え、糖を蓄積しないグレインソルガム残渣、稲わら、米ぬか、および糖を蓄積するスィートソルガム、サトウキビ、ステビアの計6種類の作物残渣を土壌表面施用またはすきこみ施用した土壌においてウコンをポットで栽培し、施用した作物残渣と施用方法の違いがウコンの収量に及ぼす影響を評価した。 実験の結果、各作物残渣の土壌表面施用区ではすきこみ区に比べて収穫時新根茎の風乾重が高かった。また、すべての作物残渣の土壌表面施用区では無施用区に比べて収量が高かったが、糖蓄積の有無はウコンの収量に影響を及ぼさなかった。6種類の作物残渣の中では米ぬかの土壌表面施用によって最もウコン収量が高かった。 以上より、昨年度の実験結果同様に、作物残渣の土壌表面施用は、すきこみ施用に比べてウコンの収量を増加できる可能性が示唆された。しかしながら、施用した作物残渣の糖蓄積の有無はウコンの収量に影響を及ぼさなかった。作物残渣の糖蓄積の有無よりもその施用方法の違いのほうがウコンの収量に影響した。作物残渣を土壌表面に施用することにより土壌の保水性が向上し、ウコンの成育を促進した可能性が示唆された。 今後は,ウコンに含まれるクルクミン濃度を調査し、作物残渣と施用方法の違いがウコンの品質に及ぼす影響を評価する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の実験では、糖蓄積の有無の異なる6種類の作物残渣の施用がウコンの収量に及ぼす影響を明らかにすることができた。その結果をもとに学会発表も行うことができた。 しかしながら、新型コロナウィルス感染対策による行動制限等の影響をうけ、計画していたすべての分析を終えることができなかったこともあり、やや研究が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでポットを用いたウコンの栽培実験を実施してきた。次年度はスィートソルガムとグレインソルガムを緑肥として利用した圃場実験を行い、ポット実験で得られたデータとの比較を通して考察を深める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染対策による行動制限等の影響をうけ、すべての分析を行うことができなかったことにより、次年度使用額が生じた。 次年度は、実施できなかった分析を実施するために必要な物品の購入のためにこの使用額を用いる。
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