2020 Fiscal Year Research-status Report
キクタニギクの自然開花期を決定する要因の遺伝学的解明
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20K06024
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
住友 克彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (70391406)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | QTL mapping / flowering time |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,キクタニギクF2集団を用いた自然開花期の調査およびQTL解析を行った.F2集団190個体について,挿し芽増殖した苗を6月に露地圃場に定植し,自然開花期を調査した.早生親SoS4-4は10月9日に,晩生親XMRS10は11月5日に開花した.F2集団各個体の開花日は両親間に連続的に分布し,平均開花日は10月24日であった.F2集団の連鎖地図を用いて,自然開花期に関するQTL解析を行った.連鎖地図は6,668の1塩基多型マーカーで構成され,キクタニギクの基本染色体数と同じ9連鎖群,全長は690cMである.自然開花期のQTLは3箇所検出された.主要なQTLは第5連鎖群に存在し,LOD値は22,寄与率は42%であった.第7および9連鎖群にもQTLが検出され,それぞれLOD値は9.0,6.7,寄与率は20および15%であった.次年度以降,繰り返し形質調査を行い,QTLを確認する.さらには,高温開花性,長日開花性,短日応答性の開花特性の調査およびQTL解析を行う.自然開花期とこれら開花特性の遺伝学的解析,すなわち連鎖地図上でのQTLの対応関係を明らかにすることで,自然開花期の決定要因を整理する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り試験を行い,自然開花期に関する主要なQTLを同定した
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Strategy for Future Research Activity |
自然開花期に影響を及ぼす開花特性として,短日応答性,限界日長,高温開花性について,F2集団の形質を評価し,QTL解析を行う.各QTLと自然開花期のQTLを連鎖地図上で重ね合わ せることで,自然開花期にかかわる遺伝領域と開花に影響を及ぼす各因子の遺伝領域の関連が明らかになり,各要因の寄与率を比較することで影響の程度が明らかにできると想定される.
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Causes of Carryover |
新型コロナによる出勤停止のため,実験量を減らし,消耗品費の支出が減った.次年度以降,実験量を増やし,結果を得るのに十分なデータを取得するために,消耗品および契約職員の賃金に充当する.
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Research Products
(1 results)