2023 Fiscal Year Annual Research Report
キクタニギクの自然開花期を決定する要因の遺伝学的解明
Project/Area Number |
20K06024
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
住友 克彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (70391406)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | QTL mapping / flowering time / chrysanthemum / circadian clock |
Outline of Annual Research Achievements |
キクタニギクF2集団を用いた自然開花期,高温開花性,長日(13時間日長)開花性,短日応答性の調査およびQTL解析を行った.自然開花期のQTLは3箇所検出された.第2連鎖群のQTLは短日応答性のQTLと一致した.第4連鎖群のQTLは短日応答性および高温開花性のQTLと一致した.第6連鎖群のQTLは長日開花性のQTLと一致した.キクタニギクの自然開花期に影響を及ぼす遺伝領域が,高温開花性,長日開花性,短日応答性に関する遺伝領域によって構成されていることは,キクタニギクの自然開花期を決める要因として,高温開花性,13時間日長開花性,短日応答性が強く関与することを示している. 次に,これら遺伝領域に座乗する候補遺伝子を探索した.解析集団の両親系統の全ゲノム配列を取得し,両親間で遺伝子機能に影響を及ぼすと想定される塩基変異のリストを得た.その中から,以下の2条件で絞り込みを行った.1)解析集団において見いだされた自然開花期に関する3か所のQTL領域に座乗する.2)キクタニギクおよびシロイヌナズナの花成および光周性に関連する.その結果,第2染色体のQTL領域には13個,第6染色体のQTL領域には2個の花成および光周性関連遺伝子が見いだされた.いずれの遺伝子も早生親側に塩基変異がみられた. 両親間の概日時計関連遺伝子の発現を解析した.早生親では,晩生親と比較して概日時計遺伝子CsLHYの発現ピーク時間が遅くシフトしていた.概日時計は日長認識に影響を及ぼすことが知られている.CsLHYピークシフトが両親間の日長応答性の差を生み出している可能性がある.本試験で見出された開花期を決める候補遺伝子の変異が,CsLHYのピークシフトと関連があるかもしれない.
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