2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K06048
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐野 義孝 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00226044)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 植物ウイルス / サテライトDNA / 多粒子性ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ユニークは環状一本鎖DNAゲノムを持つ植物ウイルスに付随するして自己増殖する計4種のα-サテライトという寄生分子がウイルス複製や病原性に与える影響を調査することを目的とする。以下3つの試験項目ごとの実績概要を述べる。① サテライトがウイルスゲノムの転写・複製に及ぼす影響の病理学的解析では, 緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子が導入されたNicotiana benthamiana16c系統植物に対してTRVベクターを用いて35Sプロモーター領域にメチル化を誘導しGFP転写が抑制されたTGS系統植物を作出した。またウイルスDNA複製に及ぼす影響については,そのベースとなるクローンDNAの感染性を向上させるため,8種のウイルスDNAのうち,DNA-M, -U1, -U2の3種についてさらなる変異解析を行い、最も普遍的なコンセンサス配列をもつDNAクローンを再選抜した。②α-サテライトDNA への改変導入とベクター化については,既知のサテライトDNA のタンパクコード領域を欠失させる代わりに,自然感染したMDV分離株で同定されたDNA複製に関与する遺伝子領域を喪失した相同組み換え体α-サテライトを用いて感染性DNAを構築し,ここにMDC3A由来の複製開始タンパク質を35Sプロモーター制御化で発現するコンストラクトともにN. benthamianaにアグロバクテリウム菌を介して導入し,Repタンパクがトランスに作用して組み換え体α-サテライトDNAを複製させるシステムの構築に成功した。③α-サテライトの異種ウイルス間の水平伝搬の検証試験では,ナノウイルス科で属が異なるバナナバンチ―トップウイルスBBTV沖縄分離株の全ゲノムを初めて解析するとともに既知のナノウイルス関連α-サテライトに特異的なプライマーを用いて新規アルファサテライトを同定し、J1と名付けた。
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