2023 Fiscal Year Research-status Report
Construction of screening system for novel phytonematode control agents acting at biogenic amine receptors
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20K06060
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Research Institution | Shokei University |
Principal Investigator |
光増 可奈子 尚絅大学, 生活科学部, 助教 (00711839)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | チラミン受容体 / 同定 / 機能解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)より、これまでに単離したチラミン受容体MiSER-2とは異なる新規のチラミン受容体候補遺伝子を3種類単離した。薬理学的な機能解析を行った結果、MiSER-2とは異なる新たなチラミン受容体とオクトパミン受容体を1つずつ同定することができた。今回新たに同定した受容体は、MiSER-2よりもシグナルの検出値が高く、安定したアッセイ結果が得られていることから、まずこの2種の受容体についてスクリーニング系の構築を進めることとした。同時に、アッセイ系の改善の余地があるMi-SER2、及び微弱なシグナルしか得られない受容体候補については、カイコにおける先行研究を参考にして、更にアッセイ系の改善を試みているところである。これらについても機能解析を進め、種々の化合物を用いた活性物質のスクリーニングを行う。今回機能解析を行った候補遺伝子の中で、互いにスプライシングバリアントであったものについては、それぞれの活性にどのような差異があるかについて解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度、新たに3種類の遺伝子を単離し、これまでに5種類の受容体遺伝子の機能解析を行ったが、いくつかの受容体については現在用いているアッセイ系では機能が検出できなかったため、追加の条件検討が必要となり、研究計画に遅れが生じた。また、詳細な受容体の機能解析に必要な化合物ライブラリーの選定の際に、メーカーの在庫状況の変動によって何度か見直しを行い、出荷日程にも遅れが生じたため、2023年度中のアッセイ計画を次年度に持ち越すことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
機能が検証できていないチラミン受容体に関して、引き続き条件検討と機能解析を進める。安定発現細胞の作製、最適な細胞株や別種類のシグナル検出系や試薬キットの使用を検討し、改善を図る。また、高い応答が見られた2種類の受容体については、培養細胞系によるハイスループット薬剤スクリーニング系の構築を進める。新たに入手した市販の化合物ライブラリーも含めてスクリーニングを行い、応答が見られた化合物は個体レベルの行動解析に用いる。行動解析の結果を基にした双方向的に化合物スクリーニングにより、個体レベルでも活性を示す化合物を探索する。個体において観察された行動異常が、どの受容体を介したシグナル伝達によって惹起されるかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
新たに単離した遺伝子の機能解析において、シグナルが検出できない遺伝子や、検出感度が著しく低い遺伝子があったので、それらについて予定になかった解析系の改善を行う必要があり、研究計画に遅れが生じた。また、化合物スクリーニングに用いるライブラリの購入に際し、製品の入荷などが遅れたことでスクリーニング系の構築及び活性化合物の探索計画が遅れた。上記についての使用の遅れは、2023年度末までに解消された。研究計画の全体的な遅れに伴い、研究成果発表に関する費目に次年度使用額が生じており、次年度の研究成果発表に際し使用する予定である。
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