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2022 Fiscal Year Annual Research Report

昆虫ウイルスとミトコンドリアのクロストークの解明

Research Project

Project/Area Number 20K06069
Research InstitutionUtsunomiya University

Principal Investigator

岩永 将司  宇都宮大学, 農学部, 教授 (40400717)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsBmNPV / バキュロウイルス / 死後溶解
Outline of Annual Research Achievements

研究実績の概要
昨年度は、Bombyx mori nucleopolyhedrovirus(BmNPV)が感染した宿主細胞のミトコンドリアに局在するBmGP37を欠損した変異ウイルスBm52Dを構築し、GP37の欠損が培養細胞におけるBmNPVの感染増殖に有意な影響を及ぼさないことを明らかにした。そこで本年度は、まず、カイコ幼虫を用いたBm52Dの感染実験を行い、BmGP37の欠損がカイコ幼虫における半数致死濃度を大幅に低下させること、半数致死時間を延長させることを明らかにした。また、Bm52D感染幼虫の血中ウイルス封入対数が大幅に減少していたことから、半数致死時間の遅延には、体内組織・器官の崩壊があまり起こらなくなる事が原因と考えられた。また、Bm52Dでは、通常観察され得る斃死体の液状化が観察されないことも明らかとなった。組織化学的な観察を行った結果、Bm52Dの感染幼虫の表皮では、クチクラ層の分解・消失が引き起こされないことも明らかになった。そのため、BmGP37の機能を詳細に調査した結果、BmGP37がN型糖鎖を有し、ウイルス粒子の構造タンパク質となっていること、また、キチン結合能を有することを明らかにした。また、BmGP37は非分泌タンパク質であるものの、ウイルス感染末期の血中にウイルス粒子の構造タンパク質として存在する可能性示した。
研究期間全体として、本研究では、宿主ミトコンドリアに存在するBmNPV由来タンパク質を同定することに成功した。得られたBmGP37は、当初の見込みのようなエネルギー代謝に直接関わるタンパク質ではなかったものの、新規のウイルス構造タンパク質であるだけでなく、バキュロウイルス感染の大きな特徴の一つである死後溶解に関わることを明らかにした。今後は、BmGP37がどのようなメカニズムでミトコンドリアに局在するのか、そして、BmGP37がどのようにクチクラの分解に関わるのか、キチナーゼやカテプシンとの共役について調査する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Expression and localization of Bombyx mori nucleopolyhedrovirus GP372023

    • Author(s)
      1.Fujimoto, S., Fujimaki, K., Suzuki, T., Katsuma, S., Iwanaga, M.
    • Journal Title

      Virus Genes

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1007/s11262-023-01983-3.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] BmNPV GP37と宿主昆虫の死後溶解に関する研究2023

    • Author(s)
      藤巻海飛、勝間進、岩永将司
    • Organizer
      令和5年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • [Presentation] BmNPV GP37と宿主昆虫の死後溶解に関する研究2022

    • Author(s)
      藤巻海飛、岩永将司
    • Organizer
      第7回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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