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2021 Fiscal Year Research-status Report

Monitoring of fauna of the Northern Territory, with a special attention to the sika deer and the European mink

Research Project

Project/Area Number 20K06086
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

大舘 智志  北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (60292041)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 荒木 仁志  北海道大学, 農学研究院, 教授 (20707129)
河合 久仁子  東海大学, 生物学部, 教授 (60451415)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords国後島 / 根室市 / エゾシカ / トガリネズミ / ヨーロッパミンク / ラッコ / 環境DNA
Outline of Annual Research Achievements

内容
昨年度(令和3年)は、令和2年度に続いて新型コロナ対策のために北方領土に渡航することができなかった。そのかわりに研究計画にも述べてあるように北方領土に隣接した北海道東部の根室市や浜中町に哺乳動物相の捕獲調査を行った。それによると令和3年度は真無盲腸目のトガリネズミ類の個体数密度が低く、特にオオアシトガリネズミの密度がかなり減っていた。一方で浜中町ではイタチ科のラッコが海で繁殖しているのを確認した。ニホンジカについては道東地域では例年通りの高密度であった。一方、現地に直接おもむけない北方領土についての情報は国後島のクリリスク自然保護区の所長や所員から得た。それによると2021年の春の段階ではエゾシカが国後島に数頭存在しているのが確認されたが、色丹島や歯舞諸島などの他の北方領土では確認されていない。また国後島でも繁殖は確認されていない。国後島のヨーロッパミンクについては情報不足ではあるが生息していることは確かであった。事前に採集してある国後島と択捉島の環境DNAの分析では、哺乳類についてはエゾシカとヨーロッパミンクは検出されなかった。一方、淡水魚類については淡水性のサケ・マス類などが検出された。
意義
北方領土に隣接する北海道東部では例年通りにシカの密度は高かった。このことはいつでも北方領土へのさらなるシカの移住が起こりうることを示している。また国後島ではシカは前年に確認した個体が生存していると思われるが、繁殖していないということは、まだ当地でシカが増加するという段階にはないことを示している。一方、ヨーロッパミンクは現地調査ができない状況が最大の研究上の障害であることが明確になった。
重要性
モニタリングは継続することが重要であるが、現地に赴けない状況下では現地の協力機関や協力者との密な情報のやり取りにより必要な知見をえることができる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

令和3年度は国後島と色丹島への渡航を計画していた。ビザなし専門家交流について内閣府、外務省、環境省と訪問への調整を行っていたが、新型コロナ対策のために完全に中止された。色丹島についてはコウモリ類の情報が皆無に近く、また環境DNAのサンプルもないので、是非とも訪問して情報を得たかったが、それはできなかった。このために予算の一部は次年度(令和4年度)の現地調査でつかぅことにした。
このように研究者側としては対策不可能な状況に陥ったために現地調査は実行できていないので調査は大幅に遅れていると評価した。しかし国後島のクリリスク保護区との連絡は継続的にとっており、動物の生息状況などの把握は続けており、遅々としているが研究は進みつつある。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、新型コロナの感染状況にくわえて、ロシアとの国際関係の悪化にともない渡航できるかは現段階では未定であるが国後島と色丹島への渡航計画書は作成している。
仮に渡航ができない場合は、すでに採取してある国後島と択捉島の環境DNAから、哺乳類以外の動物、例えば淡水魚類などの生息情報についての分析を推進する。それと同時に、クリリスク自然保護区とインターネットを通じた情報の交換を行い、現地に直接訪れなくとも情報が得られる方策をたてる。また北方領土と隣接する北海道東部地域での陸生哺乳動物をはじめとする動物相の把握につとめる。

Causes of Carryover

令和3年度は、北方領土における日露ビザなし交流の一環の専門家交流が新型コロナ対策のために中止され、北方領土での現地調査ができなかったので次年度(令和4年度)に繰り越すことにしたために次年度使用額が生じた。翌年度(令和4年度)においても北方領土訪問の計画を立てており、それに使うことを計画しているが、昨今の日露間の国家間の関係の状況により北方領土へ訪問することができなくなる可能性がある。その場合は、すでに採取してある環境DNAの分析を分析する対象を哺乳類の他の淡水魚類や鳥類などにも拡大して分析をする。また国後島にあるクリリスク自然保護区とのオンライン交流を計画しているが、そのときの通訳代や日本側の交通、宿泊代(根室に集合するなど)などに利用する。さらに北方領土の哺乳類相との比較のために北方領土と隣接する北海道東部地域での哺乳類の現地調査関係の予算として利用することを計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] Hokkaido-wide eDNA Monitoring for Sakhalin Taimen, Endangered Salmonid Species2021

    • Author(s)
      Hiroki Mizumoto and Hitoshi Araki
    • Organizer
      The Third NPAFC-IYS Workshop (2021) on Linkages between Pacific Salmon Production and Environmental Change
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Anadromous Fish Monitoring Using Environmental DNA2021

    • Author(s)
      Hitoshi Araki, Hiroki Mizumoto, Tetsu Yatsuyanagi, and Takashi Kanbe
    • Organizer
      The Third NPAFC-IYS Workshop (2021) on Linkages between Pacific Salmon Production and Environmental Change
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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