2022 Fiscal Year Annual Research Report
土壌動物の保全に向けた調査法の確立と実践:島嶼生態系を舞台として
Project/Area Number |
20K06093
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
唐澤 重考 鳥取大学, 農学部, 教授 (30448592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 年郎 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 教授 (70728229)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 土壌動物 / ワラジムシ亜目 / 系統解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)南西諸島、伊豆諸島、小笠原諸島などの島嶼を含む日本各地171地点で採集した411個体のフナムシ属を対象に、mtDNAのCOI遺伝子領域と16SrRNA領域の塩基配列を決定し系統樹を作成した。また、これら411個体のうちオス個体を対象に第2腹肢内肢、第1胸脚前節、第2触角、大顎の形態観察を行った。その結果、これまで報告されている日本産フナムシ属10種のほとんどは遺伝的・形態的に区別できることが判明した一方で、伊豆諸島三宅島から報告のあるミヤケフナムシは広域種のフナムシと区別できないことが明らかとなった。また、小笠原諸島、大東諸島、八丈島などの海洋島に生息するフナムシ属は、本州に生息する種とは遺伝的に大きくことなることが明らかとなった。 2)宮古島、石垣島、小浜島、竹富島において約50地点でワラジムシ類の採集を行うとともに、研究協力者から小笠原諸島、大東諸島、および、南西諸島のワラジムシ類の標本の提供を受け、系統解析および形態観察によってファウナを明らかにした。その結果、いずれの諸島においても未記載種と思われる種が複数見つかった一方で、日本未記録の外来種も発見された。未記載種の多くは分布域が限られており、緊急の保全対策が必要と思われた。 3)文献の標本データ(22,862サンプル)、申請者が採集した標本データ(74,880)を整理して分布データベースを構築した。種同定ができない標本が多くあるため全種を対象とした分布解析はできていないが、伊豆諸島および南西諸島のいくつかの島を対象に潜在的分布解析を行った。
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Research Products
(3 results)