2021 Fiscal Year Research-status Report
米国Schoolyard Parkにみる教育+環境+地域づくり拠点の創出手法
Project/Area Number |
20K06113
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
嶽山 洋志 兵庫県立大学, 緑環境景観マネジメント研究科, 准教授 (40344387)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 宏樹 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (30301807)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 校庭改善 / コミュニティづくり / School Yard Park |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に米国ルイジアナ州における校庭改善の整備プロセス、教育プログラム、地域活動との関係について把握を行った結果、校庭には、ハーブおよび野菜の庭やバタフライガーデンなどが整備され、地域住民と学校の交流が活発に行われていることがわかった。 その結果を受け、2021年度は神戸市多聞台地区を事例に地域住民や児童、小学校教員らとともに、菜園やバタフライガーデンづくりを展開、地域交流の実践的研究を行った。対象地は多聞台小学校と調整を行ったが、コロナ禍にあって学校での地域交流に関する実証実験が難しく、最終的には多聞台中央公園で検証を行うこととした。結果は以下の通りで、まずガーデン整備は9月19日に実施、全部で13種381ポットの花苗等を地域の児童や高齢者ら32名とともに植栽した。次に、整備前後の市民交流の変化をとらえると、利用者数は整備前と比べて1.87倍に増加、子ども同士や高齢者同士の交流も大きく増加したことから、バタフライガーデンはコミュニティづくりに一定の効果はあったものと考えられる。一方、子どもと高齢者など多世代交流は促進されず、交流のためのソフト展開も重要であることが示唆された。本研究の成果は2021年度日本造園学会関西支部にて発表、学会支部賞を得るなど、一定の成果を上げることができた。 一方、米国における校庭改善に関するレビューは、2000年からの既往研究や実践事例をもとに整理、校庭の維持管理は地域と市の共同作業としていることや、校庭緑化のプロセスは社会的交流のための重要な出会いの場であることなどが確認できた。本成果は2022年度の景観園芸研究に投稿予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度においても新型コロナウィルス感染症拡大のため、予定していた対象地域への訪問や学校関係者を対象としたヒアリング等の実施が困難であった。また国内でのコミュニティ・スクールに関する意識調査についても、コロナ禍にあって活動が停滞していることから、次年度に実施することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
国内でのコミュニティ・スクールの研究課題に重心を切り替え、昨年度取り組みを見送ったアンケート調査(コミュニティ・スクール実践校に対してSchoolyard Parkの国内実施に向けた可能性の検討にかかるアンケート調査)を実施する。内容は再整備の状況、学校や地域コミュニティによる利用状況や管理実態などとする。これらを踏まえて10校程度の対象校を選定、より詳細のヒアリングを実施することとする。 一方の米国における対人ヒアリングやワークショップについては、新型コロナウィルス感染症の状況を見ながら引き続き検討していくこととする。
|
Causes of Carryover |
昨年度のコロナ禍にあって、コミュニティスクールの実施校に対するアンケート実施を見送ったことから、その実施に当てることとする。
|