2020 Fiscal Year Research-status Report
Multi-purpose trail mapping: exploring the coexistence potential of various outdoor activities by estimating their suitable locations
Project/Area Number |
20K06117
|
Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
松浦 俊也 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00575277)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | GIS / ポテンシャルマッピング / 多基準評価法 / 森林野外活動 / すみわけ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、登山道・林道周辺での野外活動が多様化し、心身健康増進や地域振興面から期待されている。一方、新たな活動(例えばトレイルランニングやマウンテンバイクなど)が、地域住民の生活やハイキングなどの従来の活動と競合したり、登山道侵食等の懸念から、自治体や山域全体で規制・排除されたり、伐採や土地改変が各活動の適地に影響を与えることも多い。そこで本研究では、トレイル周辺の多様な余暇利用の特性や課題を整理し、各活動の適地を地図化・相互比較する手法を開発し、多様な活動の共存・すみわけを図る森林管理を支援する手法を提案することを目的としている。初年度は、まず、野外活動や観光行動の適地推定に関する既往研究を整理した。その結果、観光資源や居住地や道路からの近接性、ジオタグ写真の地理的集中度、複数条件の組合せ、管理条件等を含めた評価など、地理情報システム(GIS)を用いた多様な研究が見られた。一方、施設依存型の観光行動が多い都市域に比べて、自然資源が中心となる農山村での研究蓄積が不足していることがわかった。次に、多様な観光活動(紅葉狩り、渓流釣り、散策、観光施設周遊など)ごとの適地を自治体スケールで広域推定する手法を検討した。茨城県北にて、各種地理情報(土地利用、林種、林齢、道路や水辺や観光施設からの距離、人口分布など)を収集・整理し、ファジイ関数を用いて各活動の適地を絞り込んだ。その結果、自治体の観光協会が重視する紅葉の名所や、渓流釣りや都市近郊の散策適地など、多様な場所を地図化できることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連研究整理を進めるとともに、GISとファジィ関数を用いて、森林における多様な観光・レクリエーション活動適地を自治体スケールで面的に推定する手法を検討できた。また、登山道・林道沿いの多様な利用が見られる茨城県中部の筑波山地周辺における各種地理情報収集も開始した。このようにおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
茨城県北での解析結果とりまとめとともに、筑波山地周辺における各種地理情報の収集・整理を進める。次に、登山道・林道周辺における各種野外活動ごとの環境選好性や競合上の課題を、関連文献記述や聞き取り調査等から整理し、GISを用いて道沿いの環境条件を整理・集計する手法を開発し、各活動の適地を地図化する。さらに、土地利用変化や森林施業が各活動適地に与える影響を評価する。以上、登山道・林道周辺での多様な野外活動の特徴を可視化・定量化し、各活動の共存・すみわけの可能性を探り、多様な活動を排除しない森林計画・管理を支援する解析手順を提案する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延や、年度途中の転勤(北関東から北東北へ)により、当初予定の現地調査を次年度以降にずらしたため、次年度使用が生じた。次年度予算と併せて、関連地理情報や文献資料、データ解析や現地調査用の機材・ソフトウェア購入等の物品費や、現地調査・打ち合わせの旅費、研究補助の謝金等に用いる予定である。
|
Research Products
(2 results)