2021 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of isoprene oxidation processes above forests using two-layer flux observations
Project/Area Number |
20K06131
|
Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
深山 貴文 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353875)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 森林 / イソプレン / コナラ / 化学発光法 / フラックス / オゾン / 超音波風速計 / 簡易渦集積法(REA法) |
Outline of Annual Research Achievements |
森林が放出するイソプレンと温室効果ガスである対流圏オゾンの関係を評価するため、イソプレンとオゾン濃度の野外連続観測を行っている。本年度は新型イソプレン計を10分間隔で大気中濃度のイソプレンを分析できる仕様に改良した。この改良したイソプレン計とオゾン計を京都府木津川市に位置する山城試験地のコナラ林に設置し、2021年9月から谷部タワーの35mと25m地点において大気を吸引し、イソプレンとオゾン濃度の連続観測を開始した。イソプレン濃度は正午から午後2時頃に最も高くなる明瞭な日変動特性を示した。また、樹冠下部の方が上部よりも早く濃度が高まる傾向にあり、その濃度差は午前9時頃に最大となった。早朝に放出されたイソプレンが樹冠下部に貯留し、これがその後放出している可能性が考えられた。一方、日没後のイソプレン濃度は午前中の急激な上昇速度に比べて緩やかな低下速度を示し、午前4時から8時頃に最低となった。日没後は紫外線を受けないためイソプレンの酸化消失が進行せず、大気中寿命が長くなり濃度の低下が遅くなっている可能性が考えられた。オゾン濃度の日変化についても明瞭な日変動特性が観測され、その波形はイソプレンと概ね一致していた。オゾンも濃度上昇の速度が速い一方、低下速度が遅く、樹冠下部と上部の濃度差も午前9時頃がピークとなっていた。午前中に樹冠下部のオゾン濃度が高まった原因として、樹冠下部の高濃度のイソプレンがオゾン生成に寄与している可能性が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに野外観測を開始することができ、2高度での同時濃度観測にも成功した。測器も順調に稼働しており、予定していたデータが取得できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
フラックスの観測システムを用いて2高度での同時フラックス観測を行う予定である。タワー下部での1高度での野外観測にも成功しており、この手法を応用してタワー上部、下部での同時観測を実現する予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により予定していた出張ができなかったため、翌年度に出張を延期した。
|