2020 Fiscal Year Research-status Report
Renovation of tree growth modeling by optimization of nonlinear growth model using long-term monitoring data
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20K06135
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
高橋 正義 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50353751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加茂 憲一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (10404740)
冨田 哲治 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (60346533)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 長期モニタリングデータ / 非線形成長モデル / モデル選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
林木の成長様式を数理的に記述した成長モデルは、林木や森林資源の将来予測等に用いられる。実務上多用されているのは非線形成長関数を用いたモデルであるが、それぞれ固有の前提条件に基づき導出されているため、同じ林木の成長データに当てはめた際の将来予測値も異なる。林木の成長に用いられる12種類の非線形成長関数(Zeide 1993)から最適な非線形成長関数を林木の成長データと情報量規準を用いて選択する方法を検討した。我々が行った先行研究の検証から、候補となる非線形成長関数には構造が類似しているものが存在するがそのことにより選択される成長関数が増加すること、選択された成長関数の間で成長の特性に顕著な差が見られない成長関数グループが多数発生じることが示唆された。そこで候補とする非線形成長関数を関数の構造によって類型化することで選択肢を縮減することとした。 森林総合研究所北海道支所内のカラマツ密度収穫試験地を非線形成長モデル改良用のサンプル成長データとした。同試験地は個体間の成長や競合が多様となるよう同一プロット内で間隔を徐々に変化させて植栽されていること、すべての立木を同時期に高い計測精度で長期間測定されていることなど計測要因によるデータの攪乱が非常に小さいことから、モデル検討に適していると判断した。2020年12月に現地検討を行い、植栽間隔以外の環境要因の変動が小さいことを確認した。 サンプルデータの生存木と枯死木の成長経過の比較から、生存木と枯死木の成長ベースラインが異なっていた。間伐等の施業を行っていないことから、両者のベースラインの違いは自然枯死との関連性があると推察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2回のオンラインミーティングと現地検討などを行いながら研究を進めた。多様な成長様式が含まれることが期待できるカラマツ密度収穫試験地を非線形成長関数の選択手法や成長のクラスタリング手法の改良用のサンプル成長データとし、これを共有、解析することで、非線形成長関数の選択手法について改良の方向性を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
成長関数のクラスタリング手法や最適化アルゴリズムの改良について検討する。 成長関数の選択とクラスタリング手法を樹種の異なる人工林収穫試験地等の長期モニタリングデータに適用し、成長過程の解析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、参画者全員による林分調査や対面での研究会議などの開催を見合わせた。コロナ禍の状況に応じて、研究会議や林分調査、学会発表などを行う予定である。
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