2020 Fiscal Year Research-status Report
木質分解効率の向上に向けた放線菌転写制御機構の解明とゲノム改変による応用
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20K06139
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
高須賀 太一 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (70748409)
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2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | マンナン応答性転写調節因子 / ゲノム編集 / プロテオミクス解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
木質分解性放線菌（SirexAA-E）における糖質応答転写調節因子の探索および転写ネットワークの同定を行った。さらに、明らかにしたネットワークをもとにゲノム編集技術を用い、高バイオマス分解性放線菌変異株の作出を試みている。前年度までに木質成分に含まれるマンナンに応答する転写調節因子の同定に成功している。本菌を異なる糖質（グルコース、セルロース、キシランおよびマンナン）を単一炭素源として含む培地で培養した際に得られた培養上清をプロテオミクス解析したところ、マンナンで培養した際に他培養条件と異なる分泌酵素が同定できた。マンナン特異的に分泌されていた酵素をコードする遺伝子の上流領域にユニークなDNA配列モチーフが確認できた事から、これらの発現を制御する転写調節因子があると考えた。同じ配列モチーフが、転写調節因子と予測される遺伝子上流にも確認できたため、この遺伝子を異種発現・精製し、生化学的手法により機能を明らかにした。この結果、新規マンナン応答性制御因子、ManRが、マンナンオリゴ糖に応答するマンナン分解酵素の発現調節に関与している事がわかった。本研究成果については現在論文投稿中である。さらに、対象としている放線菌についてはゲノム編集技術の確立を行っており、異なるPAM配列やCRISPRシステムを試験し、ゲノム編集に成功している。以上の研究進捗については、日本農芸化学会年会（２０２１年３月）において２題目を発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、予定していた研究についてはおおむね推進できており、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、当該バイオマス分解性放線菌のマンナン分解に関わる転写調節因子（ManR）が同定できた。また、ゲノム編集技術の確立ができたため、ManR遺伝子を欠損する事でマンナンによって発現誘導されるマンナン分解酵素等を恒常的に分泌する事が期待できるManR欠損株の作成を行う予定である。さらに、植物細胞壁中の主要ヘミセルロースであるキシランへの本菌の応答を分泌タンパク質プロテオミクス解析によって確認しており、今後は本菌のキシラン応答を制御する転写調節機構について明らかにする。新たにキシラン応答性転写調節因子が同定できた場合、学術論文への投稿および学会発表をおこない、研究成果を報告する。また、ゲノム編集技術を用いることでキシラン分解が優位に行える新規変異株の作成も試みる。
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| Causes of Carryover |
定量プロテオミクス解析を行う予定であったが、Covid-19の状況下で担当学生の実験が遅れたため定量プロテオミクス解析に必要な試薬や消耗品類の発注を見合わせ、繰り越すに至った。
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Research Products
(4 results)
