2023 Fiscal Year Annual Research Report
地表被覆の断熱機能からみた永久凍土都市の凍土安定性ー凍土を守る土地利用の探求
Project/Area Number |
20K06145
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小谷 亜由美 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80447242)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地表被覆 / 土地利用変化 / 凍土 / 地表面熱収支 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、気候変動の影響に加えて人間活動による永久凍土の荒廃・後退が懸念されている東シベリア森林地域の都市周縁域における、都市的土地利用および攪乱程度の異なる植生地の凍土保護機能を地表被覆の断熱効果の評価を通して、凍土への影響を最小限に抑えて必要な都市活動を維持する凍土保全策の探求を目的とする。 2023年度には、対象地域の都市周辺域の土地利用と凍土保全への取り組みについて、文献やインターネット経由で得られる情報収集を続け、対象地域の凍土活動層の熱収支に影響を及ぼす植生被覆の季節動態およびその年変動について、伝統的な土地利用(牧畜や耕作など)と都市的な土地利用から凍土熱動態(活動層の凍結融解過程など)への影響に関する情報を収集整理した。文献調査により、異なる土地被覆における活動層厚、土壌水分、地温プロファイル、地上植物量、林床植物量、土壌有機物層厚などの情報を収集し、熱伝導特性の文献値と合わせて、季節融解層の計算に用いた。凍土ではないが国内において異なる地表被覆(草地と湿地)の土壌水分と地中温度のデータとして,草地と湿地の土壌水分と地温の測定を実施した。これらにより得られた凍土・植生情報を用いて、断熱効果指標と凍土森林情報との対応関係から非攪乱の森林生態系と比較した。土壌水分の凍結融解の解析により、土壌中の熱・水の鉛直輸送と合わせて季節融解深を計算し、地表被覆変化による凍土保護機能への影響を評価した。
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