2021 Fiscal Year Research-status Report
Windbreak effects on potato production: relationship with wind erosion of ridges
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20K06151
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
岩崎 健太 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林業試験場, 研究主任 (70723047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 星児 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (80425587)
南光 一樹 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40588951)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 防風林 / 風食 / ジャガイモ緑化 / 減風効果 / UAV / 数値表層モデル / 風洞実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度と同様、北海道農業研究センター芽室研究拠点(北海道芽室町)のカラマツ耕地防風林(平均樹高11m)が設置された圃場において、現地観測を実施した。防風林からの距離が異なる6地点で気象観測およびジャガイモ(トヨシロとスノーデンの二品種)の植え付けと収穫調査を実施した。防風林から最も離れた地点では、飛土量を連続観測した。4月・5月・6月に一日ずつ、無人航空機(RTK-UAV)を用いた空撮を実施し、数値表層モデルを作成した。2021年は春に雨が多く、2020年と比べて土壌水分が高い状態が続いたことにより、ほとんど風食は生じなかった。一方4月末の大雨で畝の側面が侵食され、数値表層モデルの差分を求めることにより、雨による侵食が生じた場所を把握できた。そのため、大規模な風食が起こった際には本手法で風食箇所を把握できると考えられた。ジャガイモの緑化は、いずれの品種・距離とも、2021年にはほとんど起こらなかった。降水量が多く風食が起こりにくかったことが影響した可能性もあるが、他の要因も考えられるため、次年度の観測結果も考慮に入れて検討する。 飛砂風洞実験により、現地土壌の風食量と風速・土壌水分の関係式を得た。また、現地観測データからタンクモデルのパラメータを決定し、アメダス・測候所の気象データから土壌水分を推定できるようにした。これらを合わせることにより、気象条件の異なる場合の風食されやすさの相違をアメダス・測候所のデータから推定できるモデルを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り現地観測を実施し、モデル構築も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
現地観測を継続し、気象条件が異なる年のデータを得る。それにより、ジャガイモの緑化に影響する要因を検討する。モデル構築については、次年度の観測結果から土壌水分や風食量の予測精度を検証した上で、防風林の減風効果や、気象条件とジャガイモ緑化の関係式を組み込むことで、当初目標の達成を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で複数の出張が取りやめとなったため。繰り越した予算は、代表者の異動に伴う旅費の増額分の支払いなどに使用する。
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