2020 Fiscal Year Research-status Report
Quantification of invasive risks of alien species in tropical forests and functional assessment of forest with alien trees
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20K06153
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
田中 憲蔵 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30414486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱帯林 / 外来種 / 多様性 / 炭素蓄積 / 二次林 / 侵入 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱帯雨林気候に属する半島マレーシアの森林で外来種のマンギュウムアカシアと遷移段階の異なる森林に生育する在来樹種の材の比重を調べた。材はコアを採取して70度で3日程度オーブンで乾燥させて乾重を求め比重の計算に用いた。 マンギウムアカシアの幹の材比重は0.4g cm-3程度であった。代表的な短命な遷移初期に出現する二次林樹種であるトウダイグサ科のMacaranga属樹木は0.2-0.3 g cm-3とかなり低い値を示し、同属を含む他の短命二次林樹種の平均値も0.3 g cm-3弱で、マンギウムアカシアはこれらの種よりも強度が高い材を持つことが分かった。また、二次林樹種の中でも比較的長寿命な樹種であるジェルトンなどの平均値は0.4 g cm-3弱とマンギウムアカシアと似た値を示した。一方、代表的な一次林樹種で、成長の遅いフタバガキ科樹木の平均値は0.6 g cm-3程度と最も高い値を示し、在来種の中でも生態特性により材比重が異なることが分かった。材の比重は木部の物理的な強度の指標となり値が大きいほど強度も強くなる。外来種のマンギウムアカシアは競合する遷移初期に出現する二次林樹種に比べ材比重が高く強度が高い材を持つため、強風などかく乱に対する耐性が高く、競争に有利にはたらく可能性があると考えられた。外来種のマンギウムアカシアは、かく乱が繰り返された場所に定着することが多いが、かく乱耐性が高いと生存に有利になりこうした環境に侵入しやすいと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス蔓延のため現地調査に行くことが出来なかったためプロット設置などが遅れている。一部のデータについてはカウンターパートを通じて入手出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス蔓延のため現地調査に行くことが今後も難しい可能性がある。そのためカウンターパートを通じてのデータ取得に努めプロジェクトを遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延のため現地調査がストップし次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)