2022 Fiscal Year Research-status Report
Quantification of invasive risks of alien species in tropical forests and functional assessment of forest with alien trees
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20K06153
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
田中 憲蔵 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 主任研究員 (30414486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マンギウムアカシア / 外来種 / 侵入 / マレーシア / 熱帯雨林 / モルッカネム / 萌芽 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱帯地域の外来樹種はかく乱を受けた二次林でよく見られ、昨年度の調査からも代表的な外来樹種であるマンギウムアカシアなどは火災を受けた二次林に多く出現することがプロット調査から明らかになった。かく乱環境への侵入や定着には、幹などが損傷を受けた際にも強い再生能力を持つ樹種の方が有利であると一般的には考えられている。樹木の萌芽能力は代表的な損傷からの回復能力であるが、樹種間でその能力に大きな違いがあることが知られている。外来樹種は萌芽再生能力が高く、かく乱を受けやすい二次林で有利な特性を持つ可能性があるが、その知見は限られている。そこで、沖縄県に植栽された東南アジア熱帯林地域の代表的な外来種であるモルッカネムの林分で萌芽特性を調べた。沖縄県国頭村に植栽された約20年生のモルッカネム林の毎木調査を行った。林分の平均樹高と胸高直径はそれぞれ約16mと30㎝で約100個体あった。すでに種子生産を行っていたことから成木サイズに到達していると考えられた。調査個体の内、胸高直径10㎝以上の萌芽幹を持つ個体は約20%であった。マレーシアでは成木サイズに達したオオバギなど在来の二次林樹種のうち、萌芽幹を持つ割合は10%以下と低いことが報告されている。このことからモルッカネムは成木サイズでも萌芽再生能力が高く、かく乱に強い可能性が分かった。モルッカネムの高いかく乱耐性は、二次林などかく乱頻度が高い植生で競合する在来の二次林樹種より有利になることから、こうした植生でモルッカネムの侵入がおこりやすくなると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため海外出張が制限されたためやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外出張が可能になったため現地調査を積極的に行い研究の推進を進める。
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Causes of Carryover |
研究期間の大部分がコロナ禍のため現地調査が困難になったため次年度使用額が生じた。 研究期間は令和4年度までであったが、R5年度に研究期間を延長し研究推進を行う。そのために必要な旅費、調査道具などの物品費、成果公開のための費用等に適切に使用する計画である。
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Research Products
(4 results)